琵琶湖の冬の味覚として永く愛されている「氷魚(ヒウオ)」や「ホンモロコ」など、琵琶湖ならでは湖魚の漁が最盛期を迎えています。
例年12月1日に解禁されるアユ漁が今年も開始され、初日の漁獲量は平年比116%と順調に漁獲、12月の注文量の12.9トンを早々に達成しました。この時期のアユはヒウオと呼ばれ、養殖用や放流用として生きたまま全国へ出荷されます。また、12月7日からは期間限定で食用ヒウオの漁獲がスタートし、一週間で2トン余りが漁獲されるなど、今漁期は好調な滑り出しとなりました。アユ漁は、資源調整のため一旦休漁を挟み、1月中旬から再開されます。ヒウオとしてのアユ漁は、おおむね3月ごろまでで、それ以降は成長し、小鮎として8月中旬ごろまで漁獲されます。そのためヒウオは、今だけの旬の味覚。
そのほか、四季を通じて楽しめる「ホンモロコ」の中でもこの時期にしか食べることができない、産卵前の子持ちの漁獲もピークを迎え、こちらは12月から3月頃まで出荷されます。
また、滋賀の郷土料理として知られる「鮒ずし」の材料になる琵琶湖の固有種の「ニゴロブナ」の漁獲もスタートしています。
琵琶湖で獲れた湖魚は、主に県内の鮮魚店やスーパーに出荷されますが、近年は首都圏や京阪神のレストランでも提供店舗が増えてきているほか、通信販売を行う店舗も増えてきています。現在、新型コロナウイルス感染症の影響で、滋賀県を訪れることや会食等が難しい場合がありますが、ご家庭などで、ぜひ滋賀県産の湖魚をお楽しみください。
■琵琶湖の湖魚
ヒウオとはアユの子どもで、まだ鱗が生え揃わず、まるで氷のように透き通ってみえるため、氷魚と呼ばれます。滋賀県では、海に下らず琵琶湖という限られた水域に多くのアユが生息していることから、古くからこのヒウオの時期にもアユが漁獲されてきました。日本全国でアユは獲れますが、アユを『ヒウオ』として味わえるのは、琵琶湖ならでは。ヒウオは、体長4cmほどですが、食べるとほんのり爽やかなアユの香りと、心地よい苦みがあります。たっぷりのお湯でさっと湯がいた釜揚げは、ヒウオ料理の定番で、つるつるとした食感はまさに滋賀の冬の味覚です。また、しょう油と砂糖で炊いた佃煮や、ハーブを効かせたオリーブオイルでアヒージョにすると、お酒やワインに合う一品に仕上がります。
<ホンモロコ>
ホンモロコは、琵琶湖にしかいない体長10センチ程のコイ科の魚です。鯉の仲間というと、淡水魚独特のクセのある味をイメージすることが多いですが、ホンモロコは、臭みは一切なく、 その味わいは湖魚の中で一、二を争うおいしさで、古くから京都の高級料亭でも珍重されています。琵琶湖の沖合で生活し、春の産卵期になると群れで湖岸にやってきます。春になると釣り人が湖岸に並んでホンモロコを待つようすは、琵琶湖の風物詩です。四季を通じで獲れるホンモロコですが一番人気は、やはり産卵前の子持ちで、12月から3月が漁の最盛期です。また、意外とおすすめなのが、秋のホンモロコ。子持ちのものと比べて、ややウロコや骨が固めですが、とにかく脂が乗っていて、食べ応え満点です。旬のホンモロコは素焼きで食べるのがおすすめで、網に頭から刺して炭火で焼くと、身からじわっと出てくる脂で頭がカリッと香ばしく焼きあがります。
<ニゴロブナ>
ニゴロブナは、鮒ずしの材料として知られる琵琶湖固有のフナで、冬から春にかけて、琵琶湖の沖合で、沖びき網(底引き網の一種)や刺し網で漁獲されます。実は、ニゴロブナは、鮒ずしだけではなく、地元では刺身で食べられます。「じょき」と呼ばれ、鮒ずしとしては価値の低いオスのニゴロブナが使われることが多いです。フナというと、淡水魚独特の臭みを想像してしまいますが、琵琶湖の沖合で生活しているため、臭みがなく、凝縮されたうまみが味わえます。
湖魚の問い合わせ:
琵琶湖の魚たちを取り扱う「八珍マイスター」のお店まで
https://shigaquo.jp/hacchin/
Posted by
Drive! NIPPON編集部
Drive! NIPPONは、「クルマでおでかけするすべての大人たちへ」をコンセプトに、日本各地の魅力的な観光関連情報の発信とともに、素敵な「ドライブ」「旅行」「おでかけ」を演出する様々なサービスを提供していきます。