ラムサール条約湿地にも登録された、自然豊かな南三陸。海と山、空が織りなす美しい景色の中に、「南三陸ホテル観洋」はあります。オーシャンビューの客室や絶景の露天風呂「インフィニティ温泉」、季節ごとに味わえる海の幸を存分に楽しめるホテルです。この地に生まれ育ち、幼いころから水産業や観光業に携わる家族の中で育ったという、女将の阿部憲子さんにお話を伺いました。
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目次
ウミネコがやってくる!オーシャンビューの客室
南館・東館の2つの棟からなる全244室からは、志津川湾の絶景を眺めることができます。シンプルで開放的な和室を中心に、広々とした和洋折衷の特別室もあり、異なる趣を感じられます。部屋でくつろいでいると、窓辺にウミネコがやってきてくれるのも特長。人懐こくかわいらしい姿に癒されることでしょう。
屋上に上がれば、ダイナミックに頭上を飛び交う様子を間近に見ることもできます。大人から子どもまで人気の、同ホテルのシンボルです。
海に突き出た絶景露天風呂で身も心もほぐす
南三陸温泉は、硬い岩盤を掘削して湧き出た、地下2000mもの深層天然温泉。宮城県内では珍しく、太平洋沿岸に湧き出た温泉としても知られています。広々とした4つの大浴場や海を見渡せるサウナのほか、海側に突き出るように設計された露天風呂「インフィニティ温泉」も好評。海との境目を感じさせない開放感は、いつまでも浸かっていたくなるほど。
朝は4時から利用できるので、少し早起きして水平線から昇る朝日を眺めながら入るのもおすすめです。
地元食材をふんだんに用いた「南三陸キラキラ丼」付きプランも
漁場に恵まれた三陸沿岸ならではの、季節にこだわった海の幸が魅力。水産業を営む本社の「阿部長商店」から仕入れる新鮮な魚を、時期に合わせた最適な方法で調理してくれます。人気の「鮑の踊り焼き」や、気仙沼産の「ふかひれの姿煮」など海の恵が凝縮された逸品は、必食の価値ありです。
また、女将が発案した「南三陸キラキラ丼シリーズ」は、地産地消と町おこしの取り組みが評価され、「フード・アクション・ニッポンアワード2014」で審査員特別賞を受賞。夕食時にはその「<ミニ>南三陸キラキラいくら丼」を楽しめるプランもあり、女性や子どもから人気です。
創業者の経験をもとに高台に建てられたホテル
女将のお父さんにあたる創業者・阿部泰児さんは、1960年に起きたチリ地震の被災者。大津波を目の当たりにした阿部さんは、岩盤の硬い高台であるこの地に着目し、防災・減災の観点からこのホテルを建てたそうです。
そのおかげもあり、東日本大震災では建物の下層階が一部被災したものの、地域住民のための避難所として機能しました。「ホテルを頼って続々と避難されてきた皆様を支えられるよう、600回以上ものイベントを開催し、引きこもりがちな気分が鬱々としないように努めました」と女将の阿部さん。新たなコミュニティの始まりとして、地域との関係性を強めた結果、高齢の方に「ここはひとつの家族だ」と言われたことがとてもうれしく、心に残っていると話してくれました。
父の言葉を胸に、“天職”を全う
水産業や観光業など、地域に根ざした仕事に従事してきたお父さんを見て育ったという女将。「家業に誇りを持ちなさい」という教えを胸に、子どものころから女将になることを意識していたそうです。
そんな阿部さんは、先の東日本大震災をきっかけに、旅館経営だけでなく地域ぐるみの活動も意識するようになったのだとか。「先進的な事例を学ぶため、研修会などには積極的に参加しています。そこでできたご縁や、さまざまな方の意見を聞くことが楽しく、勉強にもなっています」と話します。
現在は「みやぎおかみ会」の会長として、動画配信や作文絵画コンクール企画を開催するなど、地域活性化の多様な取り組みを積極的に行なっているという阿部さん。震災を伝承するためにホテルスタッフが語り部となる「震災を風化させないための語り部バス」活動も、震災の翌月から続けており、ジャパン・ツーリズム・アワード大賞を受賞しました。
「女将という仕事は天職かもしれません」と話す阿部さんは、今後も事業の枠にとらわれず幅広く活動を続けていくことでしょう。
南三陸ホテル 観洋
住所/宮城県本吉郡三陸町志津川黒崎99-17
TEL/0226-46-2442
Posted by
Drive! NIPPON編集部
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