大分県 別府鉄輪温泉「おにやまホテル」女将 上月明美さん

大分県 別府鉄輪温泉「おにやまホテル」女将 上月明美さん

別府温泉の観光名所としておなじみなのが、もうもうと湯気が立ち上げる「地獄」めぐり。別府鉄輪温泉の「おにやまホテル」は、地獄のひとつである「鬼山地獄」から湧き出す源泉を掛け流しで楽しめる湯自慢の宿。関あじや地獄蒸しといった別府名物のおもてなしもあり、心身ともに満ち足りた休日を過ごせます。今回はチャレンジを楽しむ女将、上月明美さんにお話を伺いました。

別府名物の湯けむりを愛でつつ、鬼山地獄の名湯に浸る

別府名物の湯けむりを愛でつつ、鬼山地獄の名湯に浸る

別府温泉郷には源泉が自然湧出する“地獄”が7カ所あり、「鬼山地獄」では泉温98度もある緑白色の湯が湧いています。おにやまホテルでは鬼山地獄から引き湯した名湯を、掛け流しで満喫できるのが贅沢。メタケイ酸がたっぷり含まれ美肌効果も期待できるとか。館内の湯処は、別府最大級と言われる露天風呂「おにやまの湯」など計3カ所。なかでも「空の湯」は湯けむりが立ちのぼる市街や別府湾、山並みの眺望が見事で、時間を忘れて見入ってしまいます。こちらは空が明るい夕方や朝に入るのがおすすめ。

食材の旨みが増した地獄蒸しと関あじで、大分の美味づくし

食材の旨みが増した地獄蒸しと関あじで、大分の美味づくし

鉄輪温泉の名物「地獄蒸し」を主役にした会席料理が一押しです。季節の野菜や蟹、サザエなどをせいろに盛り込み温泉の蒸気で蒸し上げる地獄蒸しは、食材の旨みがぐっと増して、しかもヘルシー。「豪快地獄蒸し会席」には大分ブランドの関あじの姿造りも付き、地元の美味を心ゆくまで堪能できます。朝食は、和洋折衷のメニューが並ぶバイキングスタイルが基本。立派な大分産椎茸を使ったお煮しめなど、温もりのあるご当地料理もお楽しみに。

幅広い世代からニーズが高まる、モダンなベッドの客室

幅広い世代からニーズが高まる、モダンなベッドの客室

動作がラクなベッド付きの客室は、大人世代から人気のスタイル。2022年に完成した「デラックスツイン」の客室はセミダブルベッドを2台備え、大きめのカウンターも設置。床は琉球畳とフローリングの2タイプがあり、温泉宿の寛ぎはそのままホテルライクに寛げます。伝統的な畳の客室も多数そろい、ニーズに応じて選べるのが魅力。今後はユニバーサルデザイン化を進め、新たなベッド客室が増えていくそうです。

湯けむり漂う鉄輪温泉の観光拠点にぴったり。ワニ地獄ものぞいてみては

湯けむり漂う鉄輪温泉の観光拠点にぴったり。ワニ地獄ものぞいてみては

海地獄やかまど地獄、鬼山地獄といった「別府地獄めぐり」の名所まで徒歩5分ほどで、鉄輪温泉の観光にうってつけの立地を誇ります。ワニ地獄とも呼ばれる「鬼山地獄」は同館が所有するもので、社長の祖父が別府観光の一手としてワニを輸入し、飼ったのが始まりだとか。今は60頭ほどのワニが温泉熱を利用して飼育され、土日には餌付け体験が行われています。気軽にのぞいてみませんか。

ユニバーサルデザインへの改修をスタート。新たな温泉宿へ進化中

ユニバーサルデザインへの改修をスタート。新たな温泉宿へ進化中

25歳で結婚後、夫婦でビジネスホテルを経営していた上月明美さん。ご主人が実家のおにやまホテルを継承し、40代のときにいきなり女将を務めることになりました。「この継承はまったく頭にないものでした。サービス業というジャンルは同じですが従業員の数が大きく違い、最初は戸惑うことが多かったです」と上月さん。先代女将がいなかったため女将修業の機会がなく、実地で学ぶことに。「毎日が勉強の連続で、お客様からの『よかったよ、また来るね』の言葉が本当に励みになりましたね。また茶道や華道、お琴といったお稽古事が偶然にも役立ちました」とほほ笑みます。

以来、お客様のおもてなし、スタッフ育成、館内の生け花も担うなど、朝から晩まで女将業に邁進してきた上月さんですが、コロナ禍で働き方が少し変化したとか。「モチベーションの維持には気分転換が大切だと思い、楽器を始めました。70の手習いですね(笑)」。奏でる時間が心の癒しになっているそうです。

新たな挑戦は、本業でも。ホテル激戦区の別府でより強みを発揮するために、この秋から一部の改修工事に着手しています。「ユニバーサルデザインを取り入れ、健常者の方も身障者の方も快適に寛いでいただける温泉ホテルを目指します。こうした施設はまだ少ないので、新たな温泉宿の形になればいいですね」と穏やかに語ってくれました。来年夏頃にリニューアルが完了し、より進化した新生・おにやまホテルがお目見え予定だとか。楽しみにしたいですね。

別府鉄輪温泉 おにやまホテル
住所/大分県別府市鉄輪335-1
TEL/0977-66-1121

Posted by

Drive! NIPPON編集部

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