茨城県 筑波山温泉「筑波山 江戸屋」若女将 川野真紀さん

茨城県 筑波山温泉「筑波山 江戸屋」若女将 川野真紀さん

男体山・女体山という2つの頂をもつ筑波山は、古くから行楽・参拝の地として栄えてきました。その山の中腹にたたずむ「筑波山 江戸屋」は、創業390年を迎えた老舗宿。樹齢400年の大ケヤキがそびえる玄関を入るとクラシックモダンな空気に変わり、心ときめく旅時間が始まります。また、約20年前には筑波山温泉が開湯し、温泉の楽しみも加わりました。関東平野を一望する景色と食の宝庫・茨城の美味が自慢の隠れ宿で、リラックスしたひとときを過ごしませんか。

窓一面に広がる緑と、ライブラリー、名水コーヒーに癒やされて

窓一面に広がる緑と、ライブラリー、名水コーヒーに癒やされて

旅館の寛ぎとクラシックホテルのようなインテリアが溶け合う江戸屋。玄関で靴を脱いでほっと安らいだら、広々としたロビーへ。女将が集めた本を手に取ったり、冬は暖炉の炎を眺めたり…と豊かな時間が過ごせます。お隣のラウンジでは千手沢を眺めながら、名水「杉の水」で淹れたコーヒーでひと休み。敷地内から湧き出る「杉の水」は万病に効くという言い伝えがあり、元気をいただけそうです。

筑波山のみずみずしい緑に包まれ、爽快な湯浴み

筑波山のみずみずしい緑に包まれ、爽快な湯浴み

筑波山温泉は2001年に開湯した新しい温泉。pH10.18という高アルカリ性の泉質が特長で、美肌や神経痛といった効能で知られます。手つかずの自然を生かした庭を眺める露天風呂と大浴場は、湯面に緑が映り込み、自然と一体化するような心地よさ。ロビーから繋がる足湯では、せせらぎの涼しい音をBGMに会話が弾みそう。温泉は日帰り利用もできるので、つくばエリアの観光がてら立ち寄るのもおすすめ。

百人一首をモチーフにした、地産地消の美しい料理

百人一首をモチーフにした、地産地消の美しい料理

「筑波嶺の みねより落つる みなの川 恋ぞつもりて 淵となりぬる」。百人一首でおなじみの恋の歌をモチーフにした夏の創作和食『香ぐはしき筑波山~恋ぞつもりて淵となりぬる』が何とも小粋。だしを効かせた「抹茶すり流し」、筑波山をイメージした「抹茶豆腐プリン」、特製ラー油マヨでいただく「蒸し物」など、他とはひと味違う和食に心躍ります。山海の幸や野菜・果物まで何でもそろう茨城の恵みを心ゆくまでどうぞ。(写真はつくば市応援プラン)

快晴ならスカイツリーも。関東平野を見晴らす最上階

快晴ならスカイツリーも。関東平野を見晴らす最上階

筑波山の中腹という高台のロケーションが何よりの贅沢。平野ビューの客室では、都心まで繋がる関東平野の雄大さに圧倒されます。なかでも最上階にある5つの特別室からの景色は格別で、冬の晴れた日には東京スカイツリーまで望めるとか。たまにはスマホを手離して、刻一刻と表情を変える景色に見入ってみませんか。このほか、ベッド付き和洋室、シンプルな和室もセレクトできます。

390年の伝統を守りつつ新たな挑戦。「スタッフの笑顔が増えました」

390年の伝統を守りつつ新たな挑戦。「スタッフの笑顔が増えました」

老舗旅館の11代目となる、若女将の川野真紀さん。大学卒業後、東京の旅行会社で数年働いたのち、家業を手伝うことになりました。「兄が弁護士になり、両親から戻ってきてほしいと頼まれたのが転機です。でも当時は大女将の祖母と女将の母がバリバリ働いていたので、経理などを手伝えればいいと思っていました」。こうして裏方を担いつつ結婚・出産を経て、若女将として徐々に表舞台に立ち始めます。「2007年に母が社長を就任したのを機に、私たち夫婦と妹の3人が経営にかかわることに。夫は営業、私が人事総務、妹は経理・広告と、得意分野を生かして分業しています。3人とも年が近く同じ中高なので、幼なじみのように何でも言い合えるんですよ(笑)」。
前職の経験を生かし、川野さんがとくに力を入れたのは働きやすい環境づくり。数年前には月に数日の全館休業日を設けたほか、産休・育休制度も整えました。「若いスタッフの雰囲気が明るくなりました。2回の出産を経て働き続けるママもいます。私たちも、休館日に評判のいい旅館に宿泊してアイデアを得ていますね」。お客様、スタッフも含めた「人」を大事にし、「390年続いたこの宿を、次へ繋げていくのが使命です」とほほえむ川野さん。落ち着いた語り口に情熱をにじませる、聡明な若女将でした。

筑波山 江戸屋
住所/茨城県つくば市筑波728
TEL/029-866-0321

Posted by

Drive! NIPPON編集部

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