福島県南部に位置するいわき市。ここに1300年もの歴史を持つ温泉地「湯本温泉」があります。観光色の強い温泉街ではないものの、街の中に旅館や温泉宿が点在し、地元の人にとっては古くから暮らしに温泉が根付いていた様子がうかがえます。昭和40年代、本州で最大規模の炭田・常磐炭鉱があったというこの土地には、採掘現場から毎分100トンもの温泉が吹き出していたのだとか。その湯は川に流されていたので、川で湯あみをする人も多くいたようです。そんな湯の街で昭和24年から旅館を営む「旅館こいと」をご紹介。
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目次
3つの源泉が混合する珍しい泉質
湯本温泉は、硫黄泉・硫酸塩泉・塩化物泉の3つの泉質が混ざり合うという、全国的にも珍しい場所。昔、戦で傷を負った武士がこの地を訪れて湯治したという伝説も残されているほどです。
男湯と女湯それぞれに露天風呂を完備。露天風呂は小さな庭山に面しており、四季の移ろいや鳥のさえずりを聴きながら、リラックスできます。よりプライベートな空間を楽しみたいなら、貸切風呂もおすすめ。
特筆すべきは、100%源泉の掛け流しであるということ。熱すぎる場合を除き、加水は一切していません。身体の芯から温まることで毛細血管の巡りがよくなるといわれており、動脈硬化の予防や鎮痛効果も期待できます。保温効果にも優れ、冷え性にも効果的。お肌もしっとりつるつるになれることでしょう。
神社に見守られながら和室でほっこり
客室は全28部屋の純和室で、ゆったりと足を伸ばせると評判。南向きに面した部屋では、目の前に山が広がり絶景が楽しめます。パワースポットとしても知られる湯本神社もあり、見守られているようなありがたさを感じられそう。またこのあたりには、負傷した鶴を助けたところ、その御加護を受けて温泉を開いたという「鶴の伝説」も残されているのだとか。パワーをしっかり受け取って、癒されながらほっこりと過ごしてみては。
カジュアルなダイニングバーで酔いしれて
モダンなJAZZが流れるバー「1%ER(ワンパーセンター)」では、原木のままの生ハムや、お酒によく合うシェフ特製の肉料理がいただけます。音楽ライブを開催することもあるそうで、湯上りに浴衣で楽しむ人も。一人でも気軽に入れるダイニングバーで、落ち着いた大人の夜を堪能しましょう。
また朝食は、地元の素材を使った家庭的な和食を提供。「やさしいおふくろの味で癒される」と常連客からは人気です。ほっこりとした朝食に、女将との会話も弾みます。
いわき市を楽しみ尽くせる旅を
いわき市にはサイクリングロードで有名な「サンシャインロード」があり、全国からライダーが訪れています。「旅館こいと」のサイクリングプランでは、部屋にフックを設置して自転車を置くことができるようにしたり、館内の無料ランドリーでウエアを洗濯できたりと、まさにライダーには至れり尽くせり!他にも、狭いニーズに細やかに応えられるようなプランや、旅館の中だけでなく温泉街やいわき市を丸ごと楽しめるような滞在型のプランを作っていく予定なのだとか。訪れるたびにその土地の新しい魅力に気づくことができそう。
お客様に育てられていることを忘れずに
「嫁いできたばかりの頃は、慣れない旅館業に戸惑いました」と話す、小井戸文恵さん。どうすればお客さんに喜んでもらえるのかわからず、泣いて過ごすことも多かったそうです。しかし自分なりのおもてなしの方法を模索していくうちに、だんだん楽しいと思えるように。やがて、いつも緊張してしまう常連さんに「やっと女将らしくなったな」と言われ、嬉しくて涙がこぼれたといいます。「お客さんに育てていただいていたんだなと、その時初めて思いました。その一言に感謝し、忘れることなく女将を続けていけたらと思っています」。
そんな小井戸さんが大切にしていることは、「あたたかく、思いやりが伝わるおもてなし」。「マニュアル通りでなくても、方言が出ていても、お客様にとって『いい滞在だった』と思っていただけるように日々心がけています」とのこだわりを話してくれました。
女将のおもてなしを感じながら、ゆったりと福島の旅を楽しんでみては。
いわき湯本温泉 旅館こいと
住所/福島県いわき市常磐湯本町笠井1番地
TEL/0246-42-2151
Posted by
Drive! NIPPON編集部
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