昭和22年の創業以来、日本屈指の温泉地・指宿で多くの客人をもてなしてきた「白水館」。昭和30年代には、周囲の白浜の美しい景観から「東洋のハワイ」の異名を持つ時期もありました。そして平成に入り、日本固有の文化を生かした旅館経営に取り組む方針へと転換。和の文化を重んじる現在の和風旅館のスタイルを確立しました。
そんな歴史あるお宿で40年以上にもわたり女将を務めてきた、下竹原成美さんをご紹介します。
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目次
江戸時代の賑わいを感じるお風呂
江戸時代、銭湯は庶民にとって社交場でもありました。町民文化が栄え、人々や街が活気にあふれていた元禄時代を彷彿とさせるようなお風呂が「元禄風呂」です。浮世絵を一面に施した「浮世風呂」「花魁風呂」や、現代のサウナの原型ともいわれている「江戸石榴風呂」など、賑やかな雰囲気の中でユニークなお風呂が楽しめます。
中でも、あたたかい砂の上に寝転んでじんわりと汗をかく「砂むし温泉」は、冷えや神経痛、リウマチなどに効果があると言われている健康的な入浴法。体中の老廃物をデトックスしながら、日々の疲れも癒しましょう。
シーンに合わせて選べる豊富な客室
さまざまなシーンに合わせて選べる4つの宿泊棟が特長。最大102㎡の広々とした贅沢空間で、全室から海を望める「離宮」、お部屋で好きなだけヒノキ風呂に浸かれる風呂付き客室の「磯客殿」、和室・洋室・和洋室の3タイプから選べる「花の棟」、リーズナブルな価格でゆったりとくつろげる人気の「薩摩客殿」があります。
カップルや夫婦で特別な日を過ごしたいなら、「離宮」が断然おすすめ。穏やかな海を眺めながら2人で過ごせば、きっと日常を忘れて極上の時を過ごせることでしょう。
海の幸・山の幸を月替りで堪能
枕崎産のカツオや鹿児島県産の黒豚・黒牛など、海と山に囲まれた鹿児島には自然の恵みがいっぱい。夕食の献立は毎月変わるので、訪れる時期によって新しい食材との出会いも楽しめます。
食事処も豊富で、苔庭を望める掘りごたつ式の「味彩」、異人館風でシックな装いの「御所の間」、松の庭園に面した「羽衣」、大人数でもゆったり過ごせる個室「薩摩屋敷」、イタリアンレストランの「フェニーチェ」を用意。異なる趣の中で、心ゆくまで堪能ください。
伝統文化を重んじながら、革新的なプランも用意
「日本の旅とは、あらゆる日本文化を駆使した総合芸術である」という言葉を信条に、餅つきや節分、花まつりなど季節の行事を大切に行なっている「白水館」。日本文化を気軽に楽しめるとあって、外国の観光客も増えつつあり、それに対応するように外国人スタッフも多く採用しているのだそうです。英語、中国語、広東語、韓国語での会話が可能で、より広い間口でお客様を迎えることを心がけています。
さらに驚くべきことに「コロナ禍で疲れた毎日をリフレッシュしてほしい」という思いから、「指宿白水館まるごと貸切プラン」が休館日限定で誕生!1泊2食付きで、砂むし風呂のほかコンサートホールや庭園、夏季にはプールも使えます。会社の仲間や親族間での懇親にはもちろん、結婚式やパーティ、コンサートも可能です。贅沢なステイで思い切り羽を伸ばしてみてはいかがでしょうか?
「薩摩」の歴史を大切に、日本の伝統を語り継ぐ
日韓首脳会談の際の小泉元首相やエリツィン元大統領など、これまでに国内外の要人をもてなしてきたという下竹原さん。そうそうたる顔ぶれとの対面も忘れがたい出来事ですが、特に印象に残っているのが、とある家族のことなのだそうです。
「数年前、ご両親と娘さんの3名でいらっしゃったご家族なのですが、『父が病気で介護が必要なため、家族風呂に入りたい』とお申し出がございました。しかしあいにく、当館には家族風呂のご用意がなく…。どうしても当館のお風呂に入れてあげたいという娘さんとお母様の思いに心を打たれ、当館の男性スタッフに『ご一緒に入って差し上げてください』とお願いすることに。お父様は元禄風呂をご堪能くださり、ご家族も大変ご満足いただけてご帰宅なさいました。
その後ご家族から、お父様のご旅行は当館が最後になったと聞きました。胸が熱くなると同時に、お客様のご要望にお応えすることや、一声かけることの大切さを実感しました」
旅館の相談役であり女将の夫でもある下竹原和尚さんは、薩摩の歴史を重んじ、日本の伝統や文化を大切に伝えていきたいという思いがあると話します。その思いから、2008年2月には、創業者から代々収集してきた約3000点ものコレクションを展示した「薩摩伝承館」を開館。「この場所をきっかけに、歴史との出会いや優れた美術品との出会い、人との出会いを楽しんでいただけたら」と成美さん。古き良き風習を重んじながらも、新しい取り組みにも積極的な女将さんでした。
指宿温泉 白水館
住所/鹿児島県指宿市東方12126-12
TEL/0993-22-3131
Posted by
Drive! NIPPON編集部
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