長野県 戸隠「蕎麦会席の宿 鷹明亭 辻旅館」女将 辻美幸さん

長野県 戸隠「蕎麦会席の宿 鷹明亭 辻旅館」女将 辻美幸さん

古くから信仰を集め、今では日本屈指のパワースポットとしても知られている長野県の戸隠神社。その中社のほど近くにしっとりと佇むのが、宿坊をルーツにもつ「蕎麦会席の宿 鷹明亭 辻旅館」です。ご主人と女将が腕をふるう絶品の蕎麦会席をはじめ、神職であるご主人のおもてなし、戸隠の清々しい空気や水にもパワーを感じられるこの宿で健やかな休日を過ごしてみませんか。辻旅館の女将、辻美幸さんにお話を聞きました。

信州そば切りの店認定。手打ちそばと創作料理が心を満たす

信州そば切りの店認定。手打ちそばと創作料理が心を満たす

修験者の携行食として始まった戸隠そばは、江戸時代からおもてなしの食として広がりました。信州そば切りの店にも認定されている同館では、戸隠在来種のそば粉と澄んだ水を使ってご主人が手打ちする二八蕎麦が名物。大女将と女将が発案した「蕎麦会席」では、のどごしの良い蕎麦を主役に、蕎麦真丈や蕎麦がんもといった手の込んだ全15品ほどが味わえます。蕎麦づくしに偏らないよう春の山菜といった旬の味覚を取り入れつつ、肉や魚料理は控えめに。「ヘルシーなのにお腹がしっかりと満たされる」と評判を呼んでいます。

全12室の隠れ宿。日本庭園を眺めて静かに寛げる

全12室の隠れ宿。日本庭園を眺めて静かに寛げる

客室は12室あり、ベッドで寛げる和洋室、続き間のある特別和室、14畳から8畳までの和室と多彩なタイプがそろいます。2階客室の一部は屋上に広がる日本庭園に面しており、プライベート感と庭の眺めを欲張れるのが魅力。「ここは何階ですか?」と驚く方もいるそうです。また、客室や館内を彩る季節の山野草は、女将からのおもてなし。花器にもこだわって丁寧に設えているので、ぜひ目を留めてみては。

戸隠神社中社に湧く水源を使った清らかな浴室

戸隠神社中社に湧く水源を使った清らかな浴室

殿の湯・姫の湯という男女別の浴室を備えています。温泉ではありませんが、戸隠神社中社で湧き出すこのエリア独自の水源を使って沸かしているため、清らかで肌にやさしく、山のミネラルも豊富です。ご利益がいただけそうなお風呂に浸かり、神社の参拝やスキーで疲れた身体をリフレッシュしませんか。

神殿がある神秘的な宿。歴史や見どころの話も貴重

神殿がある神秘的な宿。歴史や見どころの話も貴重

修験者の宿泊場所である宿坊から始まった辻旅館。現在はご主人が戸隠神社の神職も務めており、館内に戸隠神社のご祭神をおまつりする神殿を備えています。宿泊客は自由に参拝できるので、心静かに手を合わせてみては。また食事時には、女将ではなく神職のご主人が各席でご挨拶を行っています。神社の歴史や見どころ、パワースポットについてなど、貴重なお話が聞けるのもこの宿の醍醐味です。

蕎麦会席もご夫婦で。「ごちそうさまでした」の言葉が励みに

蕎麦会席もご夫婦で。「ごちそうさまでした」の言葉が励みに

辻美幸さんが同旅館に嫁いだのは、平成元年のこと。英語講師として活躍していた辻さんは、長野五輪に向けて戸隠の商工会が催す英語講座でご主人と出会い、その1年後に結婚。「海外生活に憧れていた時もありましたが(笑)、長野の温泉街出身で旅館は身近な存在だったので、不安はあまりなかったです。子育てをしながら、大女将のもとで仕事を少しずつ学んでいきました」とほほ笑みます。

辻さんの役割は実に幅広く、女将業とともに名物である蕎麦会席の調理も担っています。「当館のルーツは戸隠山顕光寺の宿坊です。明治の神仏分離令で戸隠神社になったため、各宿坊の主人は神職になり、宿坊は旅館に変わりました。元々、宿坊には料理人がいないという背景から、主人が蕎麦打ちを行い、私は調理師免許を取得してそのほかの料理を担当。結構大忙しですね」

若女将として10数年が経ち、いつのまにか肩書きは女将に昇格。お迎えとお見送り、お料理、そして館内を彩る草花を生けるのも「好きな仕事です」と語ります。辻さんの元気の源は、戸隠の美味しい空気と清らかな水、そしてお客様からの感謝の言葉。「お帰りの時はお客様が『ごちそうさまでした』と声をかけてくださるんです。旅館では珍しいですよね。食事へのこだわりが評価されたのだと、毎回うれしく感じています」。


蕎麦会席の宿 鷹明亭 辻旅館
住所/長野県長野市戸隠3360
TEL/026-254-2337

Posted by

Drive! NIPPON編集部

Drive! NIPPONは、「クルマでおでかけするすべての大人たちへ」をコンセプトに、日本各地の魅力的な観光関連情報の発信とともに、素敵な「ドライブ」「旅行」「おでかけ」を演出する様々なサービスを提供していきます。

  • facebook SHARE
  • X SHARE
  • Line SHARE

RECOMMENDED

中部エリアのおすすめ記事

» language / 言語