新潟県 越後湯沢温泉「和みのお宿 滝乃湯」女将 長松由紀子さん

新潟県 越後湯沢温泉「和みのお宿 滝乃湯」女将 長松由紀子さん

新潟県の玄関口に位置し、川端康成の名作「雪国」の舞台としても知られる越後湯沢温泉。上越新幹線でスムーズにアクセスできる同温泉はスキーシーズンだけでなく、春~秋のグリーンシーズンも魅力的。豊かな自然の中でのんびりと寛げます。JR越後湯沢駅から徒歩8分の「和みのお宿 滝乃湯」は、自家源泉の名湯と、旬の地元食材を生かした料理が自慢の温泉宿。女将の経験を生かした“真心のバリアフリー”サービスを受けられる宿としても評判です。同館の代表兼女将としてアクティブに活動する長松由紀子さんにお話を聞きました。

自家源泉を有し、加水や加温なし。湯沢の名湯で疲れを癒して

自家源泉を有し、加水や加温なし。湯沢の名湯で疲れを癒して

滝乃湯では、高温の自家源泉を加水や加温することなく、湯量で温度を調節しながら使用しています。「縁(えにし)の湯」「圓(つぶらの湯)」と名付けられた男女別の大浴場は、全17室のいう旅館の規模を上回るようなゆとりがあり、のびのびと温泉に浸れるのが幸せ。ガラス張りの大浴場のほか、源泉をそのまま引き湯した露天風呂があり、風を感じながら浸かれば日頃の疲れから解放されそう。弱アルカリ性の新鮮な湯で、湯上がり美肌が期待できるのも魅力です。檜の香りに包まれながら源泉掛け流しの温泉を満喫できる、貸切風呂「和(なごみ)の湯」も完備(毎時0分から45分間、2200円、予約制)。

夏の風物詩といえば地鮎。専属の釣り人による天然鮎づくし

夏の風物詩といえば地鮎。専属の釣り人による天然鮎づくし

滝乃湯の夏の美味といえば、鮎料理。専属の釣り人が釣り上げる天然鮎を使うというこだわりで、その鮮度と味はお墨付き。毎年7月1日に鮎の友釣りが解禁になる地元の一級河川・魚野川の天然地鮎が9月末まで楽しめます。「地鮎の塩焼き」をはじめ、釣りあがったばかりの地鮎の刺身を酢味噌でいただく「背越し」、「鮎の天ぷら」「鮎酒」といった少々珍しい料理もお目見え。地元食材を使った創作会席料理に追加して、期間限定の味を堪能してみては。朝食は炊きたての白米と、米からゆっくり炊き上げた朝粥の両方楽しめる上品な御膳で、魚沼産コシヒカリの美味しさに驚かされるはず。

趣の異なる全17室。4階は特別な「千紫万紅」フロアに

趣の異なる全17室。4階は特別な「千紫万紅」フロアに

客室は、しっとりと落ち着いた和室スタンダードルームをメインにした全17室。畳は抗菌・抗カビ・抗ウイルス対応の国産い草仕立てを使用。すべての客室から山並みや星空はもちろん、往来する上越新幹線も眺められるとあって鉄道マニアやお子様にも好評です。4階は色とりどりの花が咲き誇る様子を表す「千紫万紅」フロアとなり、花の名を付けた4つの客室のみ。源泉掛け流しの展望風呂とベッドルームを備えた露天風呂付き特別室「桔梗」、ベッドルーム付きの和洋室「竜胆」、テーブルやベッドルームを備えたバリアフリー和洋室「萩」といった趣の異なる客室がそろい、浴衣も客室にちなんだお花柄。特別なひとときを過ごせます。

2024年冬、バリアフリーを追求した特別室が誕生予定

2024年冬、バリアフリーを追求した特別室が誕生予定

2023年に1階ロビーがリニューアルし、同館を彩る竹をテーマにした「お食事処 筍(しゅん)」がオープン。「オリジナルたれカツ丼」や「親子丼」、さらに金曜日は「滝乃湯カレー」の日としてカレーライスやカレーうどんが登場。「まいたけ御膳」は温泉入浴とタキノユ珈琲付きで、日帰りでも名湯とグルメを存分に満喫できます。さらに、2024年冬には、湯沢町の木の名にちなんだバリアフリー特別室「紅山桜」が誕生する予定。温泉、バリアフリートイレ2カ所、電動ベッドを完備し、介助する方・される方がお互いに気持ちよく寛げる工夫が盛り込まれています。画期的な客室として注目を集めそうです。

波瀾万丈な半生を経験し、“真心のバリアフリー”に邁進中

波瀾万丈な半生を経験し、“真心のバリアフリー”に邁進中

「滝乃湯」の女将兼社長を務める長松由紀子さん。前身である小さな宿の娘として生まれた長松さんの半生は、まさに波乱万丈でした。大病にかかり中学3年間を病床で過ごしたことが、旅館の継承を決意するひとつのきっかけに。「担当の女医さんが、旅館を継ぐために商業高校で経営を学ぶといいよ、と背中を押してくれたんです。看護師さんたちも勤務後に勉強会を開いてくれて、志望校に合格することができました」とほほ笑みます。

人生の選択はさらに続きます。「公認会計士を目指すつもりでしたが、大学進学を決める時期に『継承者となるなら、旅館を拡大する』と父に相談され、私はやりたい!と答えました」。18歳にして経営判断に立ち会った長松さんは、短大卒業後に新・滝乃湯へ入社。今ではご両親から経営を引き継ぎ、代表としてフル稼働しています。

20代から渉外を担って経営者視点を学んできた長松さんは、有言実行がポリシー。自らの闘病経験を生かし“真心のバリアフリー”に着手しました。「入院中に車いすを利用することが多く、周りの視線が辛く、また介助してくれる母の負担も感じていました。そこで『心の声』に耳を傾けて、滝乃湯だからできることを心がけています」。こうしたサービスが評判を呼び、足腰に不安のある方や障害のある方のリピーターも増えているそうです。

「誰もが当たり前のように旅行を楽しんでほしいと考えています。当館では『100人100色のおもてなし』を理念に掲げ、お客様の目的に合わせた接客をチーム全員で考えます」と穏やかに語る長松さん。2024年冬季には新発想の客室が完成予定。挑戦を止めない“ユッコ女将”の次なるアイデアが楽しみです。

越後湯沢温泉 和みのお宿 滝乃湯
住所/新潟県南魚沼郡湯沢町大字湯沢345-1
TEL/025-784-3421

Posted by

Drive! NIPPON編集部

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