四国といえば、弘法大師ゆかりの寺を辿る八十八ケ所の「お遍路参り」が有名。近年では外国人観光客が増え、国内外からたくさん巡礼者が集まるなど、その人気がさらに高まっています。徳島県内には1番から23番札所、そして66番札所のお寺があり、一度に全てをお参りするのは大変。そこで今回は、徳島県内札所の中から特にオススメをピックアップして、徳島西部の古い街並みを楽しみながら、歴史に思いを馳せる徳島・お遍路のドライブを紹介します。
(写真提供:(一財)徳島県観光協会)
TABLE OF CONTENTS
目次
- START 徳島駅
- 常楽寺
- 金泉寺
- 熊谷寺
- 阿波ういろ
- うだつの上がる白壁の町 脇町
岩盤の上に建てられた14番札所「常楽寺」
徳島市国府町にある14番札所の常楽寺。国府町は13番から17番までの札所が密集しているエリアであり、「徳島市中5か所参り」として古くから信仰されています。その中のひとつ常楽寺は、815年に空海によって開かれたお寺。ご本尊の弥勒菩薩は、56億7千万年後に現れて衆生を救うとされている仏様で、その弥勒菩薩を本尊としているのは、四国八十八ヶ所の中でここだけです。国の有形文化財に指定されている本堂の前には、高さ10mのアララギの大木があり、木の中には小さくかわいらしいお大師さんが鎮座しています。地元の人からは「アララギ大師」と呼ばれ大切にされてきました。アララギの木は古くは糖尿病の薬として珍重されたもの。弘法大師がその霊木を削り、糖尿病に苦しむ人を治したという伝説もあり、現在も糖尿病や眼病の平癒祈願として信仰されています。
(写真提供:(一財)徳島県観光協会)
住所 徳島県徳島市国府町延命606 TEL 088-642-0471
運気アップにご利益あり!「金泉寺」と奥院「愛染院」
徳島県板野町にある金泉寺。弘法大師がこの地を訪れた際に、水不足で苦しむ人々のために井戸を掘ったところ黄金の水が湧き出た、という伝説が寺号の由来。今でもその弘法大師ゆかりの井戸があり、水が湧き出ている様子が見られ、また、その井戸を覗き込んではっきりと姿が写れば長生きするという言い伝えもあります。
このお寺は、源平合戦の際に源義経一行が戦勝祈願をすべく立ち寄ったと言われていて、その際に義経の家来である弁慶が力試しにと持ち上げたとされる「弁慶の力石」が境内に残されています。その言われにあやかり、今も人生の開運を願う参詣者が多く訪れるお寺だとか。
その金泉寺から約3kmほど離れた場所にある金泉寺奥の院「愛染院」。足腰にご利益があるとされる「坐像の不動明王」が祀られており、地元民からは「那東(なとう)のお不動さん」として親しまれています。中には、わらじの紐が切れたことで討ち死にしたと言われた城主の廟があり、その山門には巨大なわらじが掲げられています。病が治ると、わらじを奉納するという習わしがあり、廟の中は奉納されたわらじでいっぱい。さらに藍染院には、四国で唯一、刷毛で書いた梵字の御朱印があるので、訪れた際は忘れずチェック!
(写真提供:(一財)徳島県観光協会)
住所 徳島県板野町大寺亀山下66 TEL 088-672-1087
四国霊場最古の山門は必見!「熊谷寺」
徳島県阿波市にある第8番札所「熊谷寺」は、桜並木の先に建つ二層の山門と仁王像が一際目を引くお寺です。山門は1687年に建てられたもので、四国八十八ケ所では最古。山門を守る仁王像は圧巻の迫力で、どちらも徳島県の指定文化財に指定されています。境内に建つ高さ18mの多宝塔は、1774年に建立された四国霊場最古のもの。その色鮮やかな外観は、建立から300年以上が経っているとは思えないほどの美しさ。さらに、大師堂に鎮座する室町時代に作られた弘法大師坐像も必見。ゆっくり眺めていると、空海が歩んできた悠久の時を感じられるはず。
熊谷寺は別名「花のお寺」と呼ばれるほど、美しい花々の鑑賞ができます。春は桜、梅雨の紫陽花、夏の緑のあとは秋の紅葉と、四季折々の風景を楽しむことができます。桜(ソメイヨシノ)の見頃は3月下旬から4月初め頃ですが、それより1か月ほど早く蜂須賀桜が見ごろを迎えます。蜂須賀桜は、ヤマトザクラと沖縄系の桜の交雑種で、江戸時代まで徳島城御殿にあったことから、城主の名をとって命名された徳島ゆかりの桜です。歴史情緒あふれる境内で、季節ごとの自然をぜひ味わってみてください。
(写真提供:(一財)徳島県観光協会)
住所 徳島県阿波市土成町土成前田185 TEL 088-695-2065
日本三大ういろうのひとつ「阿波ういろ」
江戸幕府11代将軍・徳川家斉の時代に、サトウキビが阿波国(現在の徳島県)に伝わったことで誕生した「阿波ういろ」。サトウキビをもとに作られる「阿波和三盆糖」を使ったやさしい甘さが特徴で、米粉と砂糖で作られる「名古屋ういろう」とわらび餅のような食感の「山口ういろう」と並び、日本三大ういろうに数えられています。元々は、餡子と和三盆糖、塩などを使ったシンプルな味付けでしたが、近年は季節ごとに栗や柿を加えたものや、チョコレート味などの洋風のものまで様々です。店ごとに特徴がありますので、ぜひ食べ比べてお気に入りの一つを見つけてみてください。
(写真提供:農林水産省Webサイト / ページURL)
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/44_7_tokushima.html
※文化庁の100年フードにも選ばれています。
https://www.drivenippon.com/foodculture/food-niigata/
風情漂う「うだつの上がる街並み」
徳島県西部、吉野川沿いに位置する美馬市脇町は、江戸時代中期から昭和初期にかけて建てられた商家が並ぶレトロな街並みが人気のエリアです。「うだつの上がる街並み」と呼ばれ、地域をあげて当時の風情を残す街並みを保存してきました。「うだつ」とは、民家の外壁に「卯」の字形に張り出した防火壁のこと。当時はお金持ちでないとつけられなかったことから、出世しないことや地位が上がらないことを表す「うだつが上がらない」の語源になったと言われています。
この古い街並みの中には、築100年以上の古民家もあるほど。そんなレトロな空間の中で、現在はこだわりの素材で作るレストランやカフェ、雑貨屋さんやコワーキングスペースなどが軒を連ねています。古いものと新しいものが混ざり流れる独特の雰囲気が、脇町の一番の魅力です。
また、街並みのすぐそばにある、昭和初期に建てられた劇場「脇町劇場(オデオン座)」も必見。山田洋次監督の映画「虹をつかむ男」のロケ地として使われた建物で、一歩入るとその時代を知らない人でもどこか懐かしさを覚える不思議な空間です。
(写真提供:(一財)徳島県観光協会)
住所 美馬市脇町南町 TEL 0883-52-5610(美馬市観光交流課)
阿波踊り? いいえ、「阿波尾鶏」
「阿波に踊りと尾鶏あり!」、徳島には2つの「あわおどり」があるのをご存じでしたか? 1つは言わずもがな、徳島の夏の風物詩である阿波踊り。そしてもう1つ、徳島が全国に誇る地鶏「阿波尾鶏」です。阿波尾鶏は、徳島で古くから育てられてきた赤笹系軍鶏とブロイラーを交配してできた鶏です。徳島県の南部や西部の自然豊かな場所で放し飼いにされながら、80日間かけてゆっくり育てられた鶏は、きゅっと引き締まった健康的な肉質が特徴。ほどよい歯ごたえと弾力があり、噛めば噛むほど肉の旨味が口いっぱいに広がるとか。県内には専門店も多く、骨つき肉のステーキや阿波尾鶏のハンバーグ、親子丼など、味わいも様々です。季節によっては阿波尾鶏の水炊き鍋が食べられる地域もあります。徳島が誇る絶品地鶏、阿波尾鶏をぜひご賞味ください。
Posted by
Drive! NIPPON編集部
Drive! NIPPONは、「クルマでおでかけするすべての大人たちへ」をコンセプトに、日本各地の魅力的な観光関連情報の発信とともに、素敵な「ドライブ」「旅行」「おでかけ」を演出する様々なサービスを提供していきます。
RECOMMENDED
四国エリアのおすすめ記事