カラカミ観光株式会社は、30年のときを経て、ホテル川久が保管しているオーナーコレクションを一挙公開、私設美術館「川久ミュージアム」として本格始動します。
1989年、日本がバブル絶頂期に始動された「世界の数奇屋」を作るプロジェクト。誰も見たことのない、中国、ヨーロッパ、イスラム、日本と、世界中の匠の技術を融合させた唯一無二の、夢の城「ホテル川久」を建設。総工費400億、延床面積2万6千平方メートル 。
イタリア人職人の手によって敷き詰められた緻密な1,500平方メートル のローマンモザイクタイルの床、フランス人間国宝の手による壮大な22.5金の金箔ドーム天井、ロビー壁面には、ニューヨーク・メトロポリタン美術館の鑑定で2世紀頃にシリアのものと判明した貴重な鹿と豹のビザンチンモザイク画が埋め込まれています。外壁には中国の紫禁城にのみ使用を許された鮮やかな「老中黄」の瑠璃瓦…。こうして、世界中のアーティストやアルチザンの匠の技を結集させた理想郷「ホテル川久」が完成しました。
この前代未聞のプロジェクトは、総工費400億となり、延床面積2万6千平方メートル 、建設期間は2年を費やしました。1993年には、優れた建築作品と設計者に贈られる“村野藤吾賞”を受賞。館内外には、オーナーが集めた通常では美術館に展示されるような世界各国の作品の数々が、いたるところにちりばめられており、ここでは建築と融合する形で存在しています。
ホテル川久は現在、一般のホテルとして運営されていますが、創業当時の面影は今もなお、異彩を放ち、ホテル川久の歴史として受け継がれ、一歩足を踏み入れれば、日常と時間を忘れてしまう夢の中のような世界が広がります。
■世界中の匠の夢の結晶
川久は、通常大規模施工はゼネコンに一任する作業を、すべて各業界の一流の技術を持つアルチザンにオーナーが自ら依頼。前出の建築美の他、左官職人久住章氏が主宰する左官集団「花咲団」によるドイツのシュトックマームアという技法を用いた疑似大理石で作り上げた1本1億円の柱26本や、土佐漆喰で仕上げたホテルエントランスの大庇。陶芸家加藤元男氏による信長塀や陶板焼きのタイル壁など日本人の匠も多数参加し、その技術と理想が集結した「夢の城」がホテル川久です。
■オーナーの美術コレクション
ホテルの貯蔵品館内には創業当時よりインテリアから骨董、絵画まで世界各国で買い付けをしたアートの数々が眠っていました。数百点に及ぶ作品を今回ミュージアムのオープンに伴い一挙公開します。
■アートが建築の一部として融合された空間
目に映るものが全て芸術と称された川久ではエントランスから数々の作品たちが皆様をお出迎えいたします。
箱根彫刻の森美術館や宇都宮美術館など他美術館にも展示されているイギリスの環境彫刻家として著名なバリー・フラナガン氏によるうさぎのブロンズ像は幅6m、世界最大級のサイズの鴟尾として取り入れられ、身を捧げて僧侶を救ったという逸話から川久のシンボルとなっています。また煉瓦の壁面に見られる陶製の巣箱は陶芸家、加藤元男氏の作品です。館内では、中国清代前期の七宝焼きや陶器、ダリ、シャガール、横山大観など、名だたる名画家の作品を一挙展示、公開。
【川久ミュージアム】
開館時間:10:30〜18:00 (入場は閉館の30分前まで)
休館日:年中無休
料金:一般 1000円 (税込) 高校生・大学生 800円 (税込)
※学生証の提示が必要。※中学生以下は入場無料
※障害者手帳をご持参の方 (付添の方1名を含む) は入場無料
場所:和歌山県西牟婁郡白浜町3745 (ホテル川久と同じ入口)
アクセス:
南紀白浜空港より車で10分
アドベンチャーワールドより車で10分
公式ウェブサイト:
https://www.museum-kawakyu.jp/
Posted by
Drive! NIPPON編集部
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