多摩川梨とは、東京都の稲城市や日野市、神奈川県の川崎市を中心に、多摩川流域で収穫される梨の総称を指します。多摩川沿いは砂地で水はけがよく、ほどよい寒さ、暑さで果物の栽培に適した地域です。川崎市では、川崎区から中原、高津、生田と多摩川を上るように栽培地が広がってきました。
川崎市内で「多摩川梨」栽培が始まったのは、約250年前。大正時代には川崎は関東における梨の一大産地でした。第二次世界大戦の影響で梨の木は伐採され、終戦後は梨畑の面積は最盛期の約230haから1/6の約37haにまで減少。しかし、戦後、市の果樹苗導入の助成により1963年には栽培面積が市内で125haまで拡大しました。しかし、高度経済成長により再び梨農家が減少し、現在は市内約30haで梨が栽培されています。
多摩川梨は「かわさきそだち」や「かながわブランド」に登録され、地元住民に愛される果物です。
■川崎オリジナルの多摩川梨
多摩川梨は、梨の品種として有名な「幸水」「豊水」「二十世紀」など多くの梨が含まれます。ここでは、川崎市で誕生した多摩川梨「生水」と「長十郎」を紹介します。
<生水(いくすい)>
赤梨/糖度13度 販売期間:9月中旬~下旬
川崎市の太田さんが「豊水」と「二十世紀」から作り、平成13年に登録された新しい品種。地元生田の梨ということで「生水」と名付けられた。
形の整った綺麗な梨で、大きさは「豊水」と同程度。 やや酸味があるが甘いのが特徴。
<長十郎(ちょうじゅうろう)>
赤梨/糖度12度 販売期間:8月下旬~9月下旬
明治26年(1893年)に大師河原町(現在の川崎区出来野)の当麻辰次郎氏の梨園から他の梨とは違う品種が発見され、当麻辰次郎氏の屋号をとり、長十郎と名付けた。明治30年に黒星病(果実や葉に症状が出る菌の病気)が流行した際、長十郎だけは被害を受けなかったことから、「病気に強い品種」として栽培量が急増し、大正時代には全国面積の6割を占めた。昭和40年代に入ると幸水・新水・豊水などの水気が多く甘い品種に押されて現在では栽培量が減少。大きさは、300~400g程度で、ゴリゴリとした歯ごたえがあり、ほどよい甘味があるのが特徴。
■多摩川梨はここで買える!
各農家の直売所や、JAセレサ川崎が運営するファーマーズマーケット「セレサモス」にて購入することができます。多摩川梨は種類が豊富で、様々な味を楽しむことができます。是非色々な直売所で多摩川梨を買って味わってみては。
・各農家の直売所
JAセレサ川崎ホームページを参照ください。
https://www.jaceresa.or.jp/news/new/detail/20200804_3336.html
・JAセレサ川崎 ファーマーズマーケット「セレサモス」麻生店
住所:川崎市麻生区黒川172
営業時間:10:00~15:00(当面の間)
定休日:毎週水曜日、年末年始ほか
TEL:044-989-5311
https://www.instagram.com/ja_ceresamos_asao/
■多摩川梨を使った商品
多摩区の障害者就労継続支援施設「はっぴわーく」にて、多摩川梨のジャムを製造、販売しています。
地元多摩区の農家から直接仕入れた多摩川梨「幸水」「豊水」「新高」を使い、砂糖控えめ、無添加、保存料を一切使用せず製造しています。梨の果実がごろっと入った人気NO.1のジャムで、人気NO.2のみかんジャムの約5倍の売上を誇ります。パンやヨーグルト、バニラアイスに沿えたり、生クリームにもよく合います。梨ジャムパイもおすすめです 。
【多摩川梨ジャム販売】
販売期間:9月1日(火)~売り切れ次第終了
販売時間:10:00~16:30
販売場所:「はっぴわーく」川崎市多摩区登戸2959番地
TEL:044-299-6367
https://www.sky1995.com/office_shuurou_happi.html
Posted by
Drive! NIPPON編集部
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