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投稿日:2020.05.12 Tue

鎌倉のあじさい、洋館のバラ…初夏~梅雨どきの神奈川の花たち

鎌倉のあじさい、洋館のバラ…初夏~梅雨どきの神奈川の花たち

淡くやわらかなグラデーションのあじさい。優雅に咲く色鮮やかなバラ。今を盛りと咲く花を眺めていると、心が自然にほどけていきますね。そこで今回は、鎌倉の古寺のあじさいや横浜の洋館のバラなど、神奈川で楽しめる初夏から梅雨時までの花の名所をご案内。6月に見ごろを迎える花菖蒲(ショウブ)の情報も紹介します。

〜古寺にあじさいを訪ねる〜

古刹のたたずまいと、あじさいの花はよく似合います。神奈川随一の寺院の街、鎌倉にはあじさいが美しいお寺が数多くありますが、なかでも長谷寺と明月院は、多くの人が訪れる人気スポット。「川崎のあじさい寺」として、人気上昇中の妙楽寺も紹介します。あじさいの見ごろは6月中旬から下旬です。

鎌倉を見下ろす景観をやさしく縁取るあじさいが見事「長谷寺(鎌倉市)」

鎌倉を見下ろす景観をやさしく縁取るあじさいが見事「長谷寺(鎌倉市)」

緑深い観音山の懐に抱かれた長谷寺は、開創が奈良時代という由緒のある寺院です。境内には、四季折々の花が咲き、鎌倉の花の寺とも呼ばれます。なかでも紫、白、ピンク、ブルーと、彩り豊かな40種類2500株ものあじさいは見事。鎌倉の海や街を見下ろす眺望散策路をどこまでも美しく縁取ります。
ただしピーク時には行列必至で、入場制限がかかることも。花と古寺の風情をゆったり味わいたいなら、平日の朝の開門直後など時間を外すか、花の時期をずらして訪れましょう。

住所 神奈川県鎌倉市長谷3-11-2  TEL 0467-22-6300  開門時間 夏時間( 3月~9月)8:00〜17:00、閉山17:30
冬時間(10月~2月)8:00〜16:30、閉山17:00
 
拝観料 大人400円、小学生200円  駐車場 普通車30台(30分350円)  

参道に咲く青、青、青…明月院ブルーに心も染まる「明月院(鎌倉市)」

参道に咲く青、青、青…明月院ブルーに心も染まる「明月院(鎌倉市)」

開基は室町時代。「あじさい寺」の愛称で親しまれる明月院では、境内に咲く約2500株のあじさいのうち95%が「ヒメアジサイ」です。やや小ぶりな花房は6月に入ると色合いを深め、“明月院ブルー”と呼ばれる青、青、青…が参道を彩ります。その端正な美しさは、見る人の心に静かにしみいるよう。
明月院もピーク時は大混雑。平日の朝早くか閉門前、または花が色づき始める時期が比較的空いています。

住所 神奈川県鎌倉市山ノ内189  TEL 0467-24-3437  開門時間 6月   8:30〜17:00
6月以外 9:00〜16:00
 
拝観料 大人500円、小・中学生300円
※花菖蒲と紅葉の見ごろの時期限定で公開される本堂後庭園の拝観は別途500円
 

色とりどりのあじさいが境内を埋め尽くす「妙楽寺(川崎市)」

色とりどりのあじさいが境内を埋め尽くす「妙楽寺(川崎市)」

川崎市多摩区の高台にある妙楽寺も、あじさい寺として人気です。創建年代は不明ながら、平安時代に建てられた長尾山威光寺が前身といわれる、歴史のあるお寺。花の時期には境内を28種約1000株のあじさいが埋め尽くします。お堂やお地蔵さま、鐘楼の周辺にもあじさいが咲きそろい、撮影スポットには事欠きません。
毎年6月第3日曜に開かれる「長尾の里 あじさいまつり」には多くの参拝者が訪れますが、混雑を避けたい方は平日にどうぞ。

住所 神奈川県川崎市多摩区長尾3-9-3  TEL 044-922-3653  

〜洋館とバラの取り合わせを楽しむ〜

この季節の和花の代表があじさいなら、洋花の代表はバラ。神奈川には多くのバラの名所がありますが、レトロな洋館とバラの取り合わせを楽しむなら横浜の港の見える丘公園へ。侯爵家の元邸宅を背景に香気を放つ鎌倉文学館のバラも魅力的です。
※見ごろは5月中旬~6月中旬と10月中旬~11月中旬の年2回

クラシックな洋館に、華やかに咲くバラが映える「港の見える丘公園ローズガーデン(横浜市)」

クラシックな洋館に、華やかに咲くバラが映える「港の見える丘公園ローズガーデン(横浜市)」

外国人居留地だった横浜・山手の歴史を今に残すクラシックな洋館を背景に、約330種2200株のバラが咲き誇るのが、横浜の港の見える丘公園のローズガーデンです。
園内はもともとの地形を生かした3つのゾーンで構成。イギリス館前の「イングリッシュローズの庭」はバラを中心にさまざまな草花がナチュラルに配された英国式庭園。大佛次郎記念館前の「香りの庭(沈床花壇)」では立ち並ぶアーチを可憐なバラが飾ります。山手111番館の裏手にある「バラとカスケードの庭」では、軽やかに揺れる花々が小さな段々滝(カスケード)を彩る景色を楽しんで。

住所 神奈川県横浜市中区山手町114  TEL 045-671-3648(横浜市都心部公園担当)  

鎌倉ならでは!文化の薫りと気品あふれる花々「鎌倉文学館(鎌倉市)」

鎌倉ならでは!文化の薫りと気品あふれる花々「鎌倉文学館(鎌倉市)」

鎌倉を愛した文人たちの原稿やゆかりの品を集めた鎌倉文学館。昭和初期に前田侯爵家の別邸として建てられた本館の前には、600㎡近い広大なバラ園が広がります。
ここでは世界中から集めたバラが華やかに咲き競いますが、なかには「静の舞」「流鏑馬(やぶさめ)」「星月夜(ほしづきよ)」といった鎌倉にちなんだ美しい名前がついたバラも。格調高い文学と建築に親しみ、約200種もの気品ある花たちを愛でる、心豊かな時間が過ごせます。
※鎌倉文学館は大規模修繕のため、令和5年度から令和8年度までの4年間休館しています。

住所 神奈川県鎌倉市長谷1-5-3  TEL 0467-23-3911  開館時間
3月~9月 9:00~17:00(入館は16:30まで)
10月~2月 9:00~16:30(入館は16:00まで)
 
休館日 月曜日(祝日の場合は開館)、年末年始、展示替期間、特別整理期間など
※5・6月と10・11月は月1回の休館日を除き開館
 
観覧料 開催中の展覧会により異なるので、ホームページなどで確認を  URL https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/keikan/ks01.html  

〜広い空の下、菖蒲田をそぞろ歩き〜

梅雨時の下、スッキリと鮮やかに咲く花菖蒲。空も大地も悠々と広がる横須賀しょうぶ園を散策すれば、ジメジメした季節の重い気分をリフレッシュできますよ。前述の明月院でも、花菖蒲が美しい本堂後庭園をこの時期に限定公開(拝観料別途)。花菖蒲の見ごろは5月下旬~6月下旬です。

梅雨空にすっきりと映える14万株の花菖蒲「横須賀しょうぶ園(横須賀市)」

梅雨空にすっきりと映える14万株の花菖蒲「横須賀しょうぶ園(横須賀市)」

紫や青、白…の花菖蒲が梅雨空にきりりと映えます。大楠山の山麓に悠々と広がる横須賀しょうぶ園の面積はなんと3.8ヘクタール。412品種、約14万株もの花菖蒲が、菖蒲田をわたる風にそよぐ景色は壮観の一言です。園内には菅笠に絣(かすり)姿で花摘みをする女性たちの姿も見られて、和の情緒もたっぷり味わえます。

住所 神奈川県横須賀市阿部倉18-1  TEL 046-853-3688  開館時間 5月~8月 9:00~19:00
9月~4月 9:00~17:00
 
休園日 4月~6月:無休
7月~3月:毎週月曜、休日の翌日(翌日が土・日曜の場合は開園し火曜に休園)
年末年始
 
料金 4月~6月:大人320円、小・中学生:100円
7月~3月:無料
 
駐車場 普通車(90台)1時間320円、以後30分ごとに150円
※4月~6月のみ有料
 

〜まとめ〜
花はただ眺めるだけでも心が癒されますが、寺院や洋館などを背景にすると趣がいっそう深まります。悠久の時の流れを感じると、今このときとばかりに咲く花の可憐さ、はかなさが際立つからかもしれません。天気が安定しない季節ですが、あじさいや花菖蒲は曇りや雨の日ならではのしっとりとした表情も楽しめますよ。

★2020年5月12日現在、神奈川県の各施設や寺社、公園などでは、新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、観光やレジャー目的での来訪をお断りしています。
・長谷寺 閉門中
・明月院 閉門中
・妙楽寺 2020年6月のあじさいまつりは中止
・港の見える丘公園ローズガーデン 閉鎖中
・鎌倉文学館 休館中
・横須賀しょうぶ園 閉園中
オープン時期については、各施設や県、自治体のホームページなどでご確認ください。

Posted by

Drive! NIPPON編集部

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