熊本観光の出発点となる熊本駅から車を20分ほど走らせると、夏目漱石や宮本武蔵ゆかりの名所が点在する金峰山(きんぼうざん)へとたどり着きます。山麓には柑橘類の果樹が連なる段々畑、高台から見渡す長崎・雲仙普賢岳や有明海は息を飲むほどの美しさ。人混みを避けて絶景と名所を満喫できる、金峰山周辺のドライブ旅へと出かけませんか?
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目次
五輪書がうまれた剣豪・武蔵ゆかりの聖地 「霊巌洞」
熊本駅から約12km、金峰山の麓に建つ雲巌禅寺(うんがんぜんじ)内にある霊巌洞。細川忠利の招きによって熊本へ移り住み、晩年の5年間を過ごした剣豪・宮本武蔵が、生涯の集大成となる兵法書「五輪書」をこの洞内で書き上げました。洞窟まで続く細道には、座る姿も表情も異なる石仏・五百羅漢が鎮座。うっそうと茂る樹木に覆われた洞窟は神秘的な空気に包まれ、岩戸観音像や壁面に刻まれた東陵の書など必見。多くの武蔵ファンや武道家たちが国内外から訪れています。
住所 熊本県熊本市西区松尾町平山589(雲巌禅寺内) TEL 096-329-8854 開門時間 8:00~17:00 入場料 大人300円、高校生200円、中学生以下100円
ヨーロッパの片田舎を思わせる空間でカフェタイム「cafe+antiques KOKOPELLI」
「雲巌禅寺」から徒歩1分、のどかな田園風景が広がる里山に佇むカフェ。1999年のオープン以来、この地へ移住する前から根強いファンに支えられてきた理由は多岐にわたる。農薬不使用・無化学肥料栽培のお米・野菜・フルーツを使ったランチやスイーツ、築140年以上の古民家をリノベーションした店内を彩るアンティーク家具とビンテージ雑貨の数々。そして何よりも自然体でほがらかなマダムから元気をもらい、つい長居したくなります。
住所 熊本県熊本市西区松尾町平山592 TEL 096-245-8187 営業時間 12:00〜16:00、無休
時間を忘れて高台から絶景を眺める「ナルシストの丘」
「KOKOPELLI」から車で15分ほどの県道1号・熊本玉名線沿い、金峰山の絶景ポイントとして知られる丘。駐車場スペースもあり、バイクやロードバイクの愛好家たちの間では立ち寄りスポットとなっています。昼間は眼前に広がるみかん畑と水田、玉名市の市街地、遠くには長崎県・雲仙普賢岳を望む大パノラマを眺めながら、ゆっくりと深呼吸。夕暮れどきになると有明海や周辺の景色が茜色へと染まり、ウットリするほどの美しさです。刻々と変化していく景色に、時間を忘れてしまいそう。
住所 熊本県熊本市西区河内町野田 入場料 無料(24時間)
小説・草枕の名シーンに描かれた浴場と離れ 「前田家別邸(漱石館)」
夏目漱石の小説「草枕」の舞台となった、明治の政治家・前田案山子の温泉付き別邸跡。明治30年、第五高等学校の教授だった漱石は同僚とこの地を訪れ、大晦日から正月過ぎにかけて滞在。そのときの情景や実体験をもとに「草枕」を執筆しました。別邸内には、漱石が泊まった「離れ」の6畳間と、前田家の次女・ツナをモデルとした「那美」が湯煙の中に現れるシーンで描かれた浴場が保存公開されており、自由に見学できます。
住所 熊本県玉名市天水町小天735-1 TEL 0968-82-4511(草枕交流館) 利用時間 9:00~17:00(無料)、水曜休
名作の原風景を体感し、前田家の歴史に触れる 「草枕交流館」
前述の「前田家別邸」とあわせて訪れたいのが、こちらの交流館。映像ホールでは「草枕」の概要を12分間のビデオ上映で紹介し、常駐スタッフによる説明も。展示室には前田家別邸を完全復元した模型が展示されており、小説で「志保田家」のモデルとなった前田家一族を系図に沿った年表や遺された資料で紹介。明治維新後、自由民権運動家となった当主・前田案山子や一家を挙げて辛亥革命を支援した歴史に触れるとともに、「草枕」の原風景を体感できます。
住所 熊本県玉名市天水町小天735-1 TEL 0968-82-4511 利用時間 9:00~17:00(無料)、水曜休
夕日に染まる有明海を眺めながら疲れを癒す 「草枕温泉 てんすい」
みかん畑に囲まれた高台に建つ日帰り温泉施設で、泉質は神経痛や筋肉痛、関節痛などに効用があるとされるアルカリ性単純泉。夏目漱石の小説「草枕」に登場する前田家別邸の回廊をイメージした構造となっており、同別邸の浴場を模した半地下構造の「草枕の湯」では、小説に出てくる名場面を疑似体験することも。大浴場と露天風呂からは有明海、雲仙普賢岳を一望でき、有明海に沈みゆく夕景は格別です。また、貸し切り型の宿泊施設「草枕山荘」を併設。バーベキュー場や芝生広場を利用したキャンプなど、お手軽なアウトドア体験もできます。
住所 熊本県玉名市天水町小天511-1 TEL 0968-82-4500 営業時間 10:00〜21:00、水曜休
まとめ
いかがでしたか?剣豪や作家ゆかりの地に息づく歴史を巡り、自然が織りなす絶景と山里でスローな時間を楽しむ一日。界隈には小説「草枕」に登場する茶屋を再現した峠の茶屋公園の食事処や、鎌研坂(かまとぎざか)などの名所も点在しているので、寄り道を楽しみながらドライブ旅を満喫してくださいね。
(文:三角 由美子)
Posted by
Drive! NIPPON編集部
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