穏やかな瀬戸内海に面した山口県柳井市。古くから海上交通の要衝として栄え、江戸時代には瀬戸内屈指の商都として賑わった町です。中でも往時の面影を残した白壁の町並みは、一歩足を踏み入れると、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような風情ある景色が広がります。今回は白壁の町並みを中心に、柳井の歴史と食、そして自然をのんびりと満喫できるスポットを巡ります。
(写真提供:一般社団法人山口県観光連盟)
TABLE OF CONTENTS
目次
柳井の夏の風物詩・夕暮れの白壁の町並みに泳ぐ「金魚ちょうちん」
およそ150年前、柳井の商人が子どものために作った金魚ちょうちん。時を経て今なお町並みに鮮やかな彩りを添え、道行く人の目を楽しませています。夏の夜には、軒下に飾り付けられた金魚ちょうちんに灯りがともり、白壁の町並みは昼間とは一変。幻想的で趣のある情景が広がります。ぜひご覧になっていただきたい、柳井の夏を代表する風景です。金魚ちょうちんの灯りは7月30日から8月31日まで。レトロスクエア、柳井川河川公園でも夏季装飾が行われます。また通常でも、町並みには金魚ちょうちんが飾られています(台風シーズンなどは撤去されている場合もあり)。
(写真提供:一般社団法人山口県観光連盟)
白壁の町の思い出を形に。「やない西蔵」で世界にひとつだけの金魚ちょうちんを作ろう!
古い醬油蔵を改修したやない西蔵は、柳井の歴史を体験できる絶好のスポット。なかでも金魚ちょうちん作り体験が人気です。ぜひ自分だけの金魚ちょうちんを作ってみませんか?制作時間は30分程度。職人が作った胴体に筆と墨汁で背びれや目に柄を描き、ちょうちんを形作っていく過程はドキドキ。気軽に金魚ちょうちん作りに取りかかれますよ。大人も童心に帰って制作を楽しめること間違いなしです。そのほか、柳井伝統織物・柳井縞(やないじま)の製作体験も行われています。
住所 山口県柳井市柳井3700-8 TEL 0820-23-2490 開館時間 9:00~17:00(体験受付は16:00まで) 休館日 毎週火曜(祝日の場合は翌日)、年末年始 入館料 無料(体験は有料) 金魚ちょうちん作り体験料金 (中)900円、(小)800円
漂う芳醇な香りに誘われて。「甘露醤油資料館」で柳井の醤油の歴史にふれる
重厚な蔵の外にまで漂ってくる、甘じょっぱい醤油の香り。江戸時代に建てられた佐川醤油店の醸造蔵は、一部が甘露醤油資料館として一般公開されています。柳井の甘露醤油は、時の岩国藩主が芳醇な味と香りに、「甘露、甘露」と感嘆の声を洩らしたと伝えられている逸品。広い蔵の中には醤油づくりに使われていた諸道具が展示されており、その一つひとつの歴史の重みに圧倒されます。さらに、実際に醤油を醸造している樽も見学でき、時期によっては仕込み作業をしている様子が見られるそうですよ。また蔵の中では醤油やお土産品、金魚ちょうちんの販売も。おすすめはやはり甘露醤油ですが、ぜひ味わってほしいのは甘露醤油ソフトクリーム。醤油のコクとクリームの甘さがマッチして、とてもおいしいですよ。
住所 山口県柳井市柳井古市3708-1 TEL 0820-22-1830 (佐川醤油) 開館時間 8:00~17:00(日曜・祝祭日は9:30~16:30) 休館日 年末年始 入館料 無料
果物たっぷりのパフェが話題!「ホシフルーツ」のスイーツは女性必見!
白壁の街並みで柳井の歴史を体感したあとは、総合ギフトショップad(アド)に併設している、フルーツギフト&カフェ ホシフルーツで柳井の「今」をどうぞ。ホシフルーツは、柳井で定番の人気スポット。季節の旬のフルーツをふんだんに使ったパフェやソフトクリームは、どれもおしゃれでインスタ映えばっちり!新鮮なフルーツに絶品のクリーム。味も最高ですよ。「ホシの数だけ幸せを届けたい」というコンセプトのとおり、ホシフルーツのスイーツとの出会いは驚きと感動、そして幸せを運んでくれること間違いなしです。
住所 山口県柳井市南町3丁目4-7 TEL 0820-24-6060 営業時間 9:45~18:00 定休日 毎週水曜(祝日・繁忙期は除く)
ちょっとおしゃれな花と緑の庭園「やまぐちフラワーランド」で癒しのひとときを
柳井の町並みから車で5分ほど、花々が咲き誇る自然いっぱいのやまぐちフラワーランドで心も身体もリフレッシュしませんか?ゲートをくぐると花の観覧車「花くるりん」がお出迎え。芝生広場を中心に、四季折々の花々が丁寧に植えられた庭園が広がり、のんびりと花を愛でながらの散策を楽しめます。木陰やベンチもたくさん用意されているので、休憩しながらゆっくりと見学をどうぞ。庭園のほか、観葉植物や室内向けのお花を販売している花マーケット「コッコロ」、レストラン「HANAHANAちどりダイニング」などもあります。庭園散策のあとにガーデニンググッズもいかがでしょう。
(写真提供:一般社団法人山口県観光連盟)
住所 山口県柳井市新庄500-1 TEL 0820-24-1187 開園時間 9:00~17:00(入園は16:30まで) 休園日 毎週木曜
柳井の伝統料理・茶粥で心も身体もスッキリ「工房茶屋ばさら窯」(果子乃季総本店)
山口県銘菓「月でひろった卵」で知られる果子乃季総本店。お菓子や柳井土産品のショッピングと観光工場見学、敷地の裏山に広がる県内最大級のあじさい園の散策を楽しめるスポットです。なかでも裏手にある工房茶屋「ばさら窯」はおすすめ。柳井の伝統料理・茶粥をいただくことができます。茶粥は岩国藩主吉川氏によって山口県東部に広がった節米食。なかでも柳井の茶粥はほうじ茶で炊き上げ、口当たりがさらりとしているのが特徴です。落ち着いた空間で、季節によって表情を変える裏山を眺めながら茶粥を満喫。穏やかなひと時を味わえるでしょう。ばさら窯では茶粥のほか、うどんや五穀米とろろご飯といった健康的な食事が用意されています。心も身体もスッキリできますよ。
住所 山口県柳井市柳井5275 TEL 0820-22-0757 営業時間 9:00~17:00 定休日 毎週火・水曜
まとめ
江戸時代の面影を残す白壁の町並み、グルメや自然スポットはもちろんですが、柳井のいちばんの魅力は、町のそこかしこから漂う懐かしさと温かさです。筆者は数年前、柳井市近辺に住んでいましたが、どこへ行っても町の人たちが温かく迎えてくれたのがとても印象に残っています。このたび数年ぶりの柳井で、以前と変わらない人の優しさとおもてなしの心に触れ、地元の方々が受け継いできた景観や工芸品、食の素晴らしさにあらためて感動しました。みなさんもこの夏、伝統が息づく柳井で心癒される体験をしてみませんか?
(文・なんたん)
Posted by
Drive! NIPPON編集部
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