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投稿日:2022.04.19 Tue

江戸時代に栄えた門前町の面影残る、香川県「仏生山」を歩く

江戸時代に栄えた門前町の面影残る、香川県「仏生山」を歩く

江戸時代には門前町として栄えた仏生山。今でも古い商家や町家が残りつつ、新しい飲食店や雑貨店などが混在し、ゆっくり散策するのがおすすめの場所です。今回は仏生山の歴史に触れられるスポットや家族連れでも楽しめそうなスポットを訪ねました。

極楽浄土を体感できる!?伽藍配置の「法然寺」

極楽浄土を体感できる!?伽藍配置の「法然寺」

琴電仏生山駅から歩くこと約20分。広々とした前池を左手にそびえる総門が法然寺の入り口。十王堂を越え、さらに仁王門をくぐり抜け、137段の石段を登りきると来迎堂に着きます。途中にある鐘楼門から振り返ると、日山と前池、五重塔がつくるとても美しい景色が広がっていました。法然寺は1642年から明治維新を迎えるまでの200年以上にわたり、松平家の歴代藩主が高松を治め、法然寺を藩主の菩提寺としてきました。高松城や栗林公園を築いた藩主とその一族がここで眠っているのです。1207年に浄土宗を開祖した法然上人が流罪された生福寺を初代高松藩主・松平頼重が復興し、法然寺と改名しました。かつてはまんのう町にありましたが、1668年に仏生山に創建されたそうです。その時に仏舎利(釈迦の遺骨)が発見されたことが「仏生山」の由来と言われています。寺院の中でも珍しいのは、法然寺をお参りすることで極楽浄土を体感できる浄土世界を表現した伽藍配置となっていることや、涅槃図を立体的に再現した寝釈迦像があること。古くから「嵯峨(京都)の立釈迦、さぬきの寝釈迦」としてその名は知られてきました。涅槃図が伝わる寺は多いものの、その光景をほぼ実物大で立体化した涅槃空間は全国でもなかなかないのだとか。

住所 香川県高松市仏生山町甲3215  TEL 087-889-0406 URLhttps://hounenji.jp/  

お寺の境内に構えるうどん店「本格手打ちさぬきうどん 竜雲」

お寺の境内に構えるうどん店「本格手打ちさぬきうどん 竜雲」

法然寺の境内には、なんとうどん屋があります。法然寺を母体とする、社会福祉法人竜雲学園が運営しているそうです。かつて仏生山はそうめんやうどんの生産が盛んでした。初代高松藩主の松平頼重が藩内の製麺業者をこのまちに集めたと言います。そんな仏生山の麺の歴史を継承するのが竜雲。町内で最後の一軒となった製麺業者が廃業する時に、技術を継承しました。竜雲の麺には製麺業が盛んだった土地ならではの地元の素材が使われています。石臼挽きの小麦粉全粒粉「さぬきの夢」をブレンドし、練り水には軟水を使用。麺にコシやツヤを出すために、地元神崎屋の麺専用に製造された酢を使用しています。太めでもっちりと弾力の強い麺が特徴。名物は坦々つけうどん。伊吹島産いりことさぬきの白味噌を使用したごまダレに麺を絡めていただきます。温玉を載せればよりマイルドに。最後はつけダレにごはんを加えて〆。かけうどんのダシをベースにスープを作った中華そばもファンが多いそうです。

住所 香川県高松市仏生山町甲3207-2 TEL 087-889-1217 URLhttp://www.ryuungakuen.or.jp/product/bodaiju/entry-44.html  

のんびり過ごしたい「仏生山公園」

のんびり過ごしたい「仏生山公園」

法然寺に隣接する花と緑が豊かな総合公園。春にはソメイヨシノなど約250本の桜が開花する、花見の名所です。初夏から夏にかけて、菖蒲やダリア、秋にはケヤキを中心とした紅葉が楽しめます。総面積12ヘクタールと広々としていて、芝生や遊具もあり、家族連れでものんびりと過ごせる場所。仏生山駅から法然寺へ向かう途中に、「お成り街道」があります。ここから仏生山公園をゴールにして、10月に開催される「仏生山お成り街道大名行列」は高松の秋の風物詩。江戸時代に高松藩主の松平賴重が菩提寺である法然寺へ参拝する様子を再現した華やかな大名行列です。公募で選ばれた市民が「高札奴や先払侍、道中奉行」などに扮装して、約1.5kmの「お成り街道」を練り歩きます。イベント期間中は、公園内で野外劇場、菊花展、フリーマーケットのほか、秋には珍しい花火大会が開催されるそうです。

住所 香川県高松市仏生山町甲2654-1 TEL 087-888-5010 URLhttp://bussyouzanpark.web.fc2.com/ 

車中泊キャンプができる!「仏生山の森」

車中泊キャンプができる!「仏生山の森」

ことでん仏生山駅から徒歩約6分。畑や庭園に囲まれた場所に「仏生山の森」があります。夏はヒマワリ、秋はコスモス、冬から秋にかけて菜の花と、年中色とりどりの花畑を楽しめます。施設内に入れば、2匹のヤギがお出迎え。レストランやカフェで食事ができるだけでなく、BBQ、庭園見学など体験メニューが目白押し。子どもから大人まで一緒に楽しめそうな場所です。レストラン「窯焼きバーグ五十八」では香川県産の食材や目の前の仏生山ファームで採れた新鮮な野菜を使用した料理が味わえます。無料で赤ちゃん向けの離乳食をオーダーできる、家族連れにうれしいサービスも。庭園では「100年続く自然」をテーマに、ガーデニングではめずらしい宿根草を95%使用。木や花が庭の中で循環しながら、仏生山の自然の一部となっていくような庭園造りをしています。今年からは車中泊ができるRVパークも始まりました。仏生山で一日思いっきり遊んだあとに、町内にある日帰り温泉で疲れを癒して、キャンピングカーで車中泊を楽しむ旅もいいかもしれません。

住所 香川県高松市仏生山町甲884-2 TEL 087-899-8886 URLhttps://busshozan-no-mori.com/ 

酵母と食べ事「ジャンキーノンキー」

酵母と食べ事「ジャンキーノンキー」

仏生山温泉近くの住宅街に、隠れ家のようにたたずむジャンキーノンキー。店主が17年前から継ぎつづけているという小麦酵母で焼いたパンは、もっちりと美味しく評判を呼び、県外から訪れるファンもいるのだとか。ベーグルの種類は日によってさまざま。写真は、上段左からココナッツバナナ、ブラッドオレンジカカオ、酒粕味噌ベール、カカオ抹茶ホワイトチョコレート、下段左からプレッツェルひじきチーズ、シンケンムルターグ(ハムとマスタード)、レンズ豆カレー、ゴーダ塩昆布。取材時にはプレッツェルひじきチーズをいただきました。たっぷりと練りこまれた愛媛県佐田岬産のひじきがしみじみと美味しく食べ応えがありました。店主が「食べる人の血となり、肉となるものをつくる」ことを目標にしているように、噛みしめるほどに丁寧につくられたことが伝わってきて、パワーが沸き立ってくるような気がします。6月上旬ぐらいまでは、フレッシュな香りが広がるいちご酵母で焼いたパンに、いちごクリームを挟んだ、いちごのサンドイッチが販売予定だそうです。パン以外にもオートミールチョコナッツクッキー、グラノーラなどの焼菓子も人気。営業時間やイートインは不定期で、インスタグラムで随時情報が更新されます。パンはあっという間に売り切れることが多いので事前予約がおすすめ。
(写真提供:ジャンキーノンキー)

住所 香川県高松市仏生山町甲3225-4 TEL 090-7147-7635 URLhttps://www.instagram.com/junkynonky 

まとめ

仏生山は歩いて散策をするのがおすすめですが、琴電仏生山駅で電動レンタサイクルの貸し出しもあります。仏生山で遊んだ後は、ぜひ仏生山温泉に立ち寄ってほしいです。心地のいい建築空間の温泉でしっかり疲れを癒して旅の締めくくりを。

(文:坊野美絵)

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Drive! NIPPON編集部

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