愛媛県南部に位置する宇和島市は、観光とグルメを楽しみながらドライブ中の景色も楽しめるおすすめのエリアです。海と山の自然を満喫でき、温暖な気候で観光スポットも多いため、充実したおでかけになるでしょう。こちらでは、宇和島や周辺でおすすめの観光スポットや目的別のモデルコース、グルメなどについてご紹介していきます。
TABLE OF CONTENTS
目次
【目的別】宇和島でおすすめの観光スポットを一挙紹介!
宇和島では、歴史や文化、自然に触れたり、地域色豊かな特産品を購入したりできます。以下に宇和島でおすすめの観光スポットについて見ていきましょう。
1.歴史や文化を学べるスポット①
まずは宇和島で歴史や文化について学べるスポットをご紹介します。
宇和島城
宇和島城は、1601年に築城の名手と言われた藤堂高虎により築かれたお城で、上から見た時に不等辺五角形になっている城郭が特徴的です。1615年には伊達政宗の長子である秀宗が宇和郡10万石を賜って入城し、1666年頃には伊達2代藩主によって天守が建て替えられて現在の姿になっています。現存する貴重な12天守の一つとしても知られています。城門や石垣など、天守以外の見どころも多く、敷地内には入場無料の郷土館がありますが、こちらは1845年に武器庫として建てられた土蔵で、現存数が少ない希少な建物です。中には、宇和島出身や宇和島ゆかりの偉人を紹介するパネルが展示されています。
天赦園
天赦園は、宇和島藩第7代藩主である伊達宗紀が隠居先として建造した大名庭園です。大きな池の周辺に園路を設け、各地の景勝などを再現した池泉廻遊式庭園で、色とりどりの花が四季折々の美しい表情を見せています。幕末の国事斡旋の舞台ともなった大名庭園であり、天赦園という名前の由来は、伊達政宗が隠居後に詠んだ「酔余口号」の漢詩からきています。園内は藤棚が多くあり、中でも池の上にかかる太鼓橋式の藤棚は、美しく咲き誇る白玉藤が池に映り込んで圧巻の景色です。伊達家の家紋である「竹に雀」にちなんで竹の植栽には力が入れられており、様々な珍しい種類の竹を見ることができますし、6月の上旬には満開の花菖蒲が訪れる人を楽しませます。
宇和島市立伊達博物館
伊達十万石の城下町として発展した宇和島は、その歴史にふさわしく多くの文化遺産を保有しています。宇和島市立伊達博物館は、宇和島市制施行50周年の記念事業として昭和49年に伊達家屋敷跡に建設されました。館内は展示室が3つあり、歴代藩主に関する文化遺産約4万点を年2回展示替えするほか、年に1回特別展が企画されています。宇和島を治めていた伊達家にまつわる展示物の質と量は全国でも屈指で、歴史的にも貴重な古文書類、豪華絢爛な武具甲冑や調度品、繊細で美しい衣装や陶磁器、書画などを見学できます。普段目にすることがあまりない婚礼調度が充実している点も特徴的です。
宇和島市立歴史資料館
宇和島市立歴史資料館は、1884年に宇和島警察署として建てられた建物です。1953年に南宇和郡愛南町に移築され、1990年までは役場として機能していましたが、1992年に現在の場所に復元されました。西日本では数少ない擬洋風建築物で、高い水準の建築技術で建てられた格調高い外観です。つまり、こちらの資料館は建物自体が当時の宇和島の先駆性を知ることができるほど歴史的価値が高く、国の有形文化財にも登録されているものを復元利用しているということです。中には宇和島市出身の彫刻家である三好直の作品や、明治時代に活躍した宇和島出身の人物、歴史資料などが展示されています。
歴史や文化を学べるスポット②
和霊神社
和霊神社は、「和霊さま」の名で親しまれている地元でも有名な神社です。ご祭神である山家清兵衛は伊達家初代藩主である秀宗の家老で、産業の拡充や民政の安定に力を尽くしたものの、1620年に凶刃に倒れた功臣でした。この事件の後、関与したものが相次いで海難や落雷などの変死を遂げたため、清兵衛をまつるために建立されたのがこの神社です。漁業を中心として、広く産業の神として中四国であがめられている和霊信仰の総本山でもあります。
神社の正面に立つ大鳥居は高さ12m余りで、石造りでは日本一の大きさといわれています。また、和霊神社と和霊公園の間を流れている須賀川に架かる太鼓橋は、宇和島空襲の際に焼夷弾で欄干などの一部が崩落したものの、奇跡的に崩壊を免れた平和のシンボルです。
仏木寺
一カ山仏木寺は真言宗御室派のお寺で、四国八十八箇所霊場の42番札所でもあります。その歴史は古く、大同2年ころに弘法大師がこの地で牛を引く老人と出会い、牛の背に乗って連れられた場所で宝珠を見つけたことから堂宇の建立を決意したという由来があります。この寺の本尊である大日如来像は弘法大師が自ら彫造し、見つけた宝珠を眉間に埋めて白毫としたといわれているものです。また、大師がこの寺を仏木寺と名づけ、書写した般若心経と華厳経の一巻を奉納したとも伝えられています。その後、鎌倉時代には宇和島の領主であった西園寺家の祈祷、菩提寺となり、隆盛を誇りました。
鐘楼堂は元禄時代に再建されたもので、四国霊場で唯一の茅葺屋根を持ちます。境内には家畜堂という小さいお堂があり、牛馬をかたどった陶磁器や守護札などが奉納されています。元々は家畜の安全祈願が目的でしたが、近年ではペットの無病息災や供養を祈る参拝客も多いです。
2.豊かな自然や美しい景色を満喫できるスポット
次に、宇和島ならではの豊かな自然や美しい景色を満喫できるスポットをご紹介していきます。いずれも風光明媚なところばかりで、ドライブにおすすめです。
遊子水荷浦の段畑
遊子水荷浦の段畑は、宇和海に飛び出すように突き出ている急な山の斜面に、石垣を積み上げて造られた階段状の畑地です。幅1m、高さ1.5m前後の段々畑の雄大さは、全国3例目となる国の重要文化的景観や日本農村百景に選定されるほどです。下から見上げたときに、天に上る階段のように見える畑は今でも馬鈴薯が栽培されており、毎年4月には付近の海岸でだんだん祭りというイベントも開催されます。段畑のふもとには「だんだん茶屋」という食事処があり、地元の新鮮な野菜や魚を使った食事を提供していますし、売店でお土産を買うことも可能です。
南楽園
南楽園は、総面積15万3000平方メートル以上ある、現代造園技術の粋を集めて築いた四国最大規模の日本庭園です。平成元年には日本の都市公園100選にも選定されており、池の周囲を歩きながら鑑賞できる池泉回遊式日本庭園で、「山、里、町、海」をテーマとした景観を楽しむことができます。南楽園では上池と下池の二つの池を中心に、季節ごとに色とりどりの花が咲き誇るように様々な植物を植栽しています。季節に応じて、梅まつりやつつじまつり、菖蒲まつりなどの多彩なイベントが開催されていますので、何度でも出向いてみたい庭園です。
滑床渓谷
滑床渓谷は足摺宇和海国立公園の一角にあり、自然が織りなす渓谷の美しさと野生ザルで知られる観光スポットです。鬼ケ城山系を源流にしており、長年の侵食によって花崗岩が洗い清められた独特の河床が特徴となっています。滑らかな一枚岩の千畳敷や、出合滑と呼ばれる平らで広大な岩肌を清流がさらさらと滑るように流れる様子など、独特の渓谷美を満喫することができます。この川は四万十川水系の支流で、澄んで美しい清流が流れていく水模様は圧巻です。
とりわけ、高さ80mの滑らかな岩肌を清流がなめるように流れる際、雪の輪のような水紋を残しながら落ちていく雪輪の滝は非常に美しく、日本の滝100選にも選ばれています。新緑や紅葉の季節には多くの観光客が訪れますが、夏はキャニオニングスポット、渓流釣り、キャンプなど様々なイベントが楽しめます。
薬師谷渓谷
薬師谷渓谷は、比較的標高が低いこと、遊歩道が続いているので軽装や初心者でも散策しやすいことなどから人気の高い渓谷です。宇和島市の市街地から車で15分程度とアクセスしやすい場所ですが、自然環境は遊歩道が整備されている程度でほとんど手つかずのままになっており、豊かな自然を存分に満喫できるでしょう。清流の両岸には、珍しい常緑広葉樹や蔓生植物などを見ることができるほか、轟音をとどろかせる滝や静かに煌めきながら流れる川のせせらぎなど、都会では味わえない体験ができます。季節ごとに色合いが変わる緑や鮮やかな紅葉も格別ですが、初夏には期間限定でそうめん流しも楽しめます。
3.地元の特産品を購入できるスポット
宇和島には、豊かな自然に恵まれた地元ならではの特産品が多数あります。以下に、宇和島の特産品を購入できるスポットについてご紹介します。
道の駅みなとオアシスうわじま きさいや広場
道の駅みなとオアシスうわじま きさいや広場は、宇和島朝日ICをおりてすぐの所にある道の駅です。ドライブの際に立ち寄る場所としてぴったりですが、JR宇和島駅からも徒歩15分程度で連絡バスが通っているため、公共の交通機関を利用して訪れる人も少なくありません。こちらでは、新鮮な野菜や果物、銘菓、海産物など宇和島の特産品が購入できるだけでなく、宇和島の姉妹都市である北海道当別町や宮城県大崎市、仙台市、長野県千曲市などの物産も販売しています。さらに、種類豊富なメニューがそろっている食のひろばにあるレストランでは、鯛めしや宇和島ちゃんぽんなどの郷土料理が食べられます。
田中蒲鉾本店
田中蒲鉾本店は、1888年の創業以来130年以上、豊かな宇和海の恵みを活かして宇和島名物のじゃこ天やかまぼこを作り続けている老舗です。こちらの店舗では、原料は宇和海でとれる鮮魚のエソを使い、塩味だけで作った焼き抜きと呼ばれる蒲鉾を作り続けています。新鮮で上質な素材と職人たちのこだわりにより、ぷりぷりの歯ごたえながらふわっと軽やかな風味や上質な味わいが自慢です。また、宇和海近海でとれるほたるじゃこを皮と骨ごとすり潰し、新鮮な菜種油で程よく揚げたじゃこ天は、身締まりの良さと軽やかな風味、歯ごたえが多くの人に好まれています。
道の駅みま
道の駅みまは、松山自動車・三間ICを降りてすぐの場所にある道の駅です。田園風景に囲まれた、自然豊かな場所にあり、農産物直売コーナーでは朝採りの新鮮な野菜が販売されるため、朝早くから多くの人でにぎわっています。この場所で作られているみま米や地元の野菜で作ったドレッシング、地元の造り酒屋のお酒を使ったなどの特産品を購入することも可能です。他にも、地域の特産品や加工品を多数販売していますので、お土産を買いに立ち寄るのもよいでしょう。館内には美術館や記念館の他、地元産の食材を使った農家レストランなどが併設されていますので、充実した時間を過ごせます。
4.宇和島周辺で立ち寄りたい!おすすめのスポットは?
せっかく宇和島まで来たなら、周辺の観光もしたいところです。宇和島は近くのエリアにも立ち寄りたい魅力的なスポットがたくさんあります。
長浜大橋
長浜大橋(赤橋)は、昭和10年に建設された延長232.3m、幅員6.6m、開閉部分の長さ18mの、愛媛県最大の肱川河口に架かる橋です。橋の上は非常に見晴らしがよく、愛媛県最大の海と山の美しい景色が満喫できます。この橋は昭和10年に完成した、国内において現役で動く最古の道路可動橋であり、平成10年には国の登録有形文化財に、平成26年には国の重要文化財に指定されました。また、平成21年には国の近代化産業遺産としても認定され、多くの観光客が訪れています。
大洲城
大洲城は、1888年に取り壊された天守を2004年に木造復元した城です。戦後に木造復元された4層4階建ての天守は日本初で、高さは19.15mあり、日本一の高さを誇ります。明治時代に老朽化のためにほとんどの建物が取り壊された際、天守も解体されましたが、その後明治期の古写真や天守雛形と呼ばれる江戸期に作られた木組模型などの豊富な資料を基に、当時の姿を正式に復元しました。なお、4棟の櫓は解体を免れ、いずれも国の重要文化財に指定されています。大洲城の歴史は古く、鎌倉時代末期に築かれた地蔵ヶ岳城に始まり、廃藩まで大洲藩加藤家13代の居城だったと伝えられています。
四万十川
四万十川は日本最後の清流と言われる美しい川で、津野町不入山を源に、全長が196kmもある四国で最長の大河です。四季の風景や自然と共に暮らしている落ち着いた雰囲気の町に流れる四万十川では、川漁師が柴づけ漁や投網漁、アユの火振り漁などの伝統的な漁を行うほか、屋形船に乗って、重要文化的景観に選定された雄大な自然を楽しむこともできます。釣りやカヌー、シュノーケリングなどの川遊びを楽しめるほか、増水したときに水面下に沈むように設計された、欄干のない沈下橋も人気です。
5.宇和島観光はどう回る?モデルコースを参考にしよう!
宇和島は観光スポットが豊富にありますので、どのように回ればよいのか迷うところです。もちろん、自分が行きたいスポットを決めてから回ればよいですが、多すぎて迷うときのために、以下に目的別のモデルケースをご紹介していきます。
歴史と文化に触れるコース
歴史と文化に触れるコースなら、宇和島城は外せません。市内の中心地、標高80mの小高い丘にありますので、スタート地点としても利用しやすい場所です。伊達家ゆかりの歴史的建造物を堪能した後、宇和島場近くにある天赦園を散策しましょう。伊達政宗が詠んだ漢詩から命名されており、四季折々の美しい景観が楽しめます。
天赦園近くには宇和島市立伊達博物館がありますので、次にこちらを見学しましょう。伊達家にまつわる展示物が数多く展示されていて、当時をしのぶことができます。もし時間があれば、宇和島市立伊達博物館から車で約5分の距離にある和霊神社に移動するのもおすすめです。商売繁盛や学業成就、縁結びなどのご利益があると言われているほか、毎年7月には和霊大祭・うわじま牛鬼まつりも開催されます。
宇和島周辺の絶景満喫コース
宇和島周辺の絶景を満喫したいなら、まずは日本農村百景に選ばれている遊子水荷浦の段畑からスタートしましょう。美しい宇和海の青と段畑の整然とした生け垣は、観光の始まりにぴったりの魅力的なスポットです。段畑を堪能したら、ここから車で約35分のところにある南楽園に移動します。総面積総面積15万平方メートルを超える大規模な日本庭園には色とりどりの花が植えられており、段畑ののどかな美しさとは異なる、華やかな四季折々の色合いを楽しめます。夕方は、日没の時間帯が最も美しいと言われる高茂岬に移動しましょう。南楽園からは約1時間かかりますが、観光の締めくくりにふさわしい雄大な景色を堪能できる場所です。
6.宇和島で味わおう!宇和島グルメにはどんなものがある?
観光では、その土地でしか味わえない地元のグルメを堪能するのも楽しみの一つです。宇和島は新鮮な食材が豊富で、地元料理もいろいろありますので、ぜひ試してみましょう。以下に、代表的な宇和島グルメをご紹介していきます。
鯛めし
宇和島鯛めしは瀬戸内の鯛を使った宇和島の郷土料理で、全国から多くの人が食べにくる有名な一品です。鯛めしは地域によって作り方が様々ですが、一般的には鯛をご飯などと一緒に炊いて、細かく混ぜてから食べます。一方、宇和島鯛めしは生の鯛を使うのが特徴です。新鮮な鯛の切り身をご飯にのせて、醤油やみりん、生卵、ゴマ、だし汁などで作ったタレをかけたり、だし醤油や薬味を混ぜたりして食べます。
じゃこ天
じゃこ天は愛媛県南予地方の郷土料理で、宇和海の小魚をふんだんに使った練り物です。原料には主にほたるじゃこという宇和海でとれる魚を使っており、頭と内臓をとって骨と皮ごとすり潰しているため、じゃりじゃりとした食感があって歯ごたえが良く、栄養価も高い揚げかまぼこになっています。食べると口の中に広がる魚の旨味が特徴的で、お酒にもよく合う味です。地元ではあぶってそのまま食べることもあれば、うどんやおでんに入れて食べることもあるなど、様々な食べ方が見られます。
ふくめん
ふくめんは宇和島の伝統食で、もとは宇和島藩の行事食として伝わったとされています。主な材料として地元で栽培した糸こんにゃくを使いますが、この地域では江戸時代の飢饉でも十分な収穫が見込めるこんにゃく芋を、食糧確保の目的で栽培し続けていた経緯があります。糸こんにゃくの上に春を表す紅色のそぼろ、夏を意味するみじん切りに刻んだねぎ、秋を示すみかんの皮、冬を表す白のそぼろなどが盛り付けられており、見た目も鮮やかです。祭りや正月などの人が集まる宴会の席で供されるほか、結婚披露宴や長寿祝いなどのお祝いの場でよく食べられている一品です。
≪まとめ≫ 宇和島グルメを味わいながら楽しく観光しよう!
宇和島は、恵まれた自然環境と城下町として発展した経緯から、大庭園や立派なお城、起伏に富んだ渓谷など見どころの多いエリアです。ドライブでも観光でも楽しめる上、鯛めしやじゃこ天など、ここでしか食べられないグルメも少なくありません。観光もグルメも特産品も充実している宇和島で、自分に合った楽しみ方を見つけましょう。
Posted by
Drive! NIPPON編集部
Drive! NIPPONは、「クルマでおでかけするすべての大人たちへ」をコンセプトに、日本各地の魅力的な観光関連情報の発信とともに、素敵な「ドライブ」「旅行」「おでかけ」を演出する様々なサービスを提供していきます。
RECOMMENDED
四国エリアのおすすめ記事