川沿いの野趣あふれる露天風呂として、旅雑誌の表紙を何度も飾ってきた「新穂高の湯」。この露天風呂があるのが、岐阜県の「奥飛騨温泉郷」です。雄大な北アルプスを眺め、山の涼やかな風に吹かれながらの露天風呂はやっぱり最高!夏にこそ入りたい、奥飛騨温泉郷の秘湯や絶景露天風呂を紹介します。日帰り入浴ができる露天風呂をドライブプランに加えてみませんか。
TABLE OF CONTENTS
目次
1.「奥飛騨温泉郷」とは? どんな特徴があるの?
「奥飛騨温泉郷」とは、「平湯温泉」「福地温泉」「新平湯温泉」「栃尾温泉」「新穂高温泉」という5つの温泉地を総称した岐阜県高山市の温泉郷。3000m級の山々が連なる北アルプスの玄関口となり、ダイナミックな山並みが間近に迫ります。100以上の源泉数を誇る温泉天国で、温泉湧出量は全国上位レベル。泉質は主に「単純泉」「硫黄泉」「炭酸水素塩泉」「塩化物泉」の4種類と多彩で色合いもさまざま。個性豊かな湯を堪能できる、温泉好きにたまらないエリアです。
標高1000mを超える高地にある同温泉郷は真夏でも清涼で、夏の湯めぐりにぴったり。脱衣所と露天風呂だけという素朴な設えや混浴といった温泉文化は、懐かしくも新鮮に感じられるはず。新穂高ロープウェイ(現在メンテナンス中で通常運行は2024年8月~)や平湯大滝、少し足を延ばせば上高地、飛騨高山などの観光スポットも充実した、日本を代表する山の温泉地です。
2.「奥飛騨温泉郷」へのアクセス方法は?
名古屋や関西方面からは、東海北陸自動車道「飛騨清見IC」から、中部縦貫自動車道に入り「高山IC」で下車。そこから国道158号線を上っていくと45分ほどで平湯温泉へ到着します。東京方面からは長野自動車道の「松本IC」を降りて国道158号を上っていくルートも活用でき、安房トンネルを抜けたところが平湯温泉です。
奥飛騨温泉郷の玄関口となる平湯温泉から一番奥の新穂高温泉までは、一般道で20~25分ほど。その途中に3つの温泉地が点在し、5つの温泉地をスムーズに巡ることができます。晩秋や冬になると積雪や凍結が増えるため、道路状況を確認して出発しましょう。
(写真/平湯民俗館内の日帰り露天風呂「平湯の湯」)
3.新穂高温泉のおすすめ露天風呂 「新穂高の湯」
【新穂高(しんほたか)温泉】
北アルプスの槍ヶ岳・穂高岳への登山口や新穂高ロープウェイ乗り場があり、登山客や観光客が多く訪れる温泉地。北アルプスを背景にホテルや旅館、ペンションが点在し、高原リゾートの雰囲気も味わえます。新穂高温泉のシンボルといえば、露天風呂「新穂高の湯」です。
期間限定の風物詩。川沿いの解放感がたまらない!
例年4月下旬~10月30日の期間限定で入浴できる露天風呂「新穂高の湯」。澄み切った清流「蒲田川」の真横という抜群のロケーションで、脱衣室と岩風呂だけというシンプルなつくり。お湯が少々ぬるめで、夏の入浴に最適です。四季折々に色を変える大自然やダイナミックな川音を間近で楽しみ、自然の一部になったかのような寛ぎを味わってください。屋根も塀もないオープンな露天風呂なので、河川増水時や悪天候時にはお休みになります。事前に情報をチェックしてから出かけましょう。
今では希少な「混浴」。橋から丸見えのオープンな露天風呂
内湯やシャワーはなく、温泉を純粋に楽しむ素朴な露天風呂です。上に橋がかかるオープンな立地かつ、昔ながらの混浴スタイルなので、とくに女性は水着着用で入るのがおすすめ。「人目がちょっと気になる…」という方は周辺にある温泉施設を利用するといいでしょう。長らく愛されてきた露天風呂の文化を守るためにも、入浴マナーをしっかり守り、お互いに配慮しながら入浴を。清掃協力金(300円程度)を料金箱に入れて、楽しく気持ちよく入浴してください。
■住所:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷神坂
■TEL : 0578-89-2614(奥飛騨温泉郷観光協会)
■営業時間:例年4月下旬~10月30日の8:00~18:00(2024年は10月30日まで)
■定休日:期間中無休(河川増水時など休業の場合あり。公式サイトなどを確認してから出かけてください)
■料金:清掃協力金(300円程度)
4.栃尾温泉のおすすめ露天風呂 「荒神の湯」
【栃尾(とちお)温泉】
飛騨市神岡町から新穂高温泉に向かう途中にある「栃尾温泉」は、気どらない宿が数軒点在する温泉地。かつてこの地にとちの木が多く自生していたことが、名前の由来とされています。栃尾温泉で、温泉好きに愛される穴場といえば、共同露天風呂「荒神(こうじん)の湯」です。
広々とした露天風呂だけの潔さ。静かで落ち着くたたずまい
蒲田川の川原につくられた露天風呂で、岩風呂に源泉がこんこんと掛け流されています。何より素晴らしいのが「露天風呂から見えるのはほぼ山と空」という開放感あふれるたたずまい。夏は深い緑、秋は紅葉、冬は雪見風呂が楽しめ、お湯の中でぐんと手足を伸ばして無心で景色を眺めていると、時の流れを忘れてしまいます。夜22時まで営業していて、夏場の強い日差しを避けてのんびり入浴できるのもうれしいポイントです。
男女別の岩風呂は、山と川が目の前に。眺めが格別!
開放的なのに視線が気にならないのが「荒神の湯」の魅力。男女別に露天風呂と更衣室が設えられ、心置きなく寛げます。設備は簡易的な脱衣所と大きな岩風呂のみで、内湯やシャワーはありません。カギのかかるロッカーもないので、貴重品は自分自身で管理を。夜は灯りが少ないため、足元等に注意して入浴しましょう。入る前には料金箱に300円の寸志を入れ、だれもが心地よく入れる露天風呂に感謝の気持ちをぜひ伝えてください。
■住所:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷栃尾
■TEL : 0578-89-2614(奥飛騨温泉郷観光協会)
■営業時間:8:00~22:00(月・水・金は清掃のため12:00より営業)
■定休日:無休
■料金:寸志 (300円程度)
5.新平湯温泉のおすすめ露天風呂 「奥飛騨ガーデンホテル焼岳」
【新平湯(しんひらゆ)温泉】
名水「タルマ水」と円空上人が残した数多くの「円空仏」で知られる温泉地。日帰り入浴ができる露天風呂として注目したいのが「奥飛騨ガーデンホテル焼岳」。珍しいエメラルドグリーン色に変化する「うぐいすの湯」は美人の湯としても評判です。
淡いエメラルドグリーンが美しい「うぐいすの湯」
「奥飛騨ガーデンホテル焼岳」は敷地内に4本もの自家源泉を有していて、活火山・焼岳の恵みを存分に味わえます。約3億6千万年前の海底隆起層から湧き出した自家源泉掛け流しの「うぐいすの湯」は、このエリアでは珍しいエメラルドグリーンに変化する湯が楽しめて、まさに新感覚。保湿成分のメタケイ酸がたっぷり含まれ、湯上がり肌も期待できそうです。混浴の「うぐいすの湯」以外にも、異なる色合いの湯が注がれた男女別の露天風呂と、立ち湯や寝湯、白湯がある大浴場がそろい、1カ所で湯めぐり気分。これらが日帰り利用できるとは、何とも贅沢です!
混浴エリアは、男女ともに湯衣を着用するので気楽
同館の温泉の醍醐味を味わえるのは、やっぱり広々とした混浴エリア。名物であるエメラルドグリーンの「うぐいすの湯」をはじめ、打たせ湯、洞窟風呂「瀑泉洞」も揃い、大自然に包まれて非日常のひとときを過ごせます。「混浴は少々抵抗が…」という方も、こちらの混浴露天風呂は、男女ともに無料の湯衣(ゆあみ)を着用する方式なので意外と気楽。男女それぞれの露天風呂の先に着替え室があり、湯衣をまとってから混浴エリアに入ることができます。うぐいす色の湯衣は厚手で、女性用はワンピースタイプなので水着感覚。夫婦や家族と一緒に露天風呂で寛げるのがうれしいですね。
ホテル前に列車が停車!? キャビア生産でも話題に
「奥飛騨ガーデンホテル焼岳」は、大自然の中にたたずむ大型ホテル。玄関の前には何と、北海道で活躍していた車両「キハ27 551」「キハ27 552」が停車!今はカラオケルームに改修されて第2の人生を送っています。うぐいすの湯を使ったミストタイプの「超深層水 化粧水」や、清らかな水で育てたチョウザメからとれる「奥飛騨キャビア」といった名産品も充実。珍しい温泉に古い列車にキャビアまでという話題の尽きないスポットです。
■住所:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷一重ヶ根2498-1
■TEL : 0578-89-2811
■営業時間:12:00~22:00(最終受付21:00)※混雑状況によって変更の可能性あり。来場前に電話確認を。
■定休日:不定休
■料金:900円(小学生未満は無料)
6.福地温泉のおすすめ露天風呂 「石動の湯」
【福地(ふくじ)温泉】
平安時代、村上天皇がこの地で療養したとされる言い伝えから、“天皇泉”とも呼ばれる秘湯。山間に重厚な造りの旅館や民宿が点在し、昔話の世界に入り込んだような雰囲気です。宿泊メインの温泉地ですが、共同温泉浴場「石動(いするぎ)の湯」は日帰り利用ができます。
「昔ばなしの里」の中にある公共の温泉
福地温泉の中心に位置する「昔ばなしの里」は、温泉や食、文化を1カ所で楽しめる観光スポット。この中にある共同温泉浴場「石動の湯」は、福地温泉の湯を日帰りで体感できる希少な施設です。素朴な雰囲気の内湯と露天風呂があり、ラドン含有の無色透明の湯を贅沢に掛け流し。石組みの露天風呂はこぢんまりとしていて落ち着きます。冬期は露天風呂が閉鎖されるので、空の下での入浴は春~秋だけのお楽しみです。
シャンプーやボディソープを備えていますが、シャワーやカランはありません。専用の湯船からお湯を汲んで洗うという昔ながらの方式で身体や髪を洗うのも、また乙なもの。湯上がり後は、囲炉裏のある軽食コーナーで、中華そば(高山ラーメン)や五平餅といった飛騨の名物グルメを味わい、懐かしい風情をとことん満喫しましょう。「昔ばなしの里」内には、この地がかつて海底だったことを示す「福地化石館」、ワークスペース&こども図書館 「奥飛騨 萬葉館」といった施設が揃い、ぶらりとのぞいてみるのもおすすめ。石動の湯の営業時間は4時間と短めなので、タイミングを合わせて出かけてください。
■住所:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷福地110
■TEL : 0578-89-2793
■営業時間:昔ばなしの里・石動の湯12:00~16:00
■定休日:水曜(臨時休館あり、事前に問い合わせを)
■入浴料:300円
7.平湯温泉のおすすめ露天風呂 「ひらゆの森」
【平湯(ひらゆ)温泉】
武田信玄が飛騨に攻め行った時に、老猿が傷を癒す様子から発見されたと言われる名湯。高速バスや路線バスが発着する奥飛騨温泉郷の玄関口です。ここだけで40以上の源泉があり、泉質もさまざま。なかでも幅広い世代やファミリーから大人気の露天風呂といえば「ひらゆの森」です。
計16カ所の露天風呂を湯めぐりできる人気の温泉施設
「ひらゆの森」は、約1500坪の敷地に男女合わせて16カ所(男湯7・女湯9)の露天風呂を有する温泉施設。平湯温泉の中でも珍しい白濁系の「ひらゆの森の湯」と無色透明の「水石の湯」という2本の源泉があり、60℃を超える高温の源泉を谷水で適温に調整してから掛け流しています。露天風呂ごとに湯の花が舞っていたり、ぬるめだったりと個性が変わるため、まずは全部入ってみるのがおすすめ。お気に入りの露天風呂が見つかったら、ほんのりとした硫黄の香りに包まれながら、しばしのんびり過ごしましょう。
洗い場が豊富な大浴場や更衣室も、広々快適
「ひらゆの森」は大浴場や更衣室を備えた大型の温泉施設で、身体や髪を洗ってリフレッシュしたい方にもぴったり。堂々たる古民家風の建物が目印で、ロビーや廊下は趣のある畳敷き。大浴場は広々としていて洗い場の数も十分です。夏は一目散に露天風呂を目指したくなりますが、木組みのレトロな内湯もぜひ堪能してください。湯上がり後は、ロビーのお土産処をチェックしてみては。自慢の源泉を入れた「ひらゆの森ボディソープ」「しっとり化粧水」などをお土産にすれば、おうちでも名湯の気分に浸れます。
飛騨牛の焼き肉を楽しめる食事処や、森のカフェもあり
館内のレストランやカフェは営業時間がわりと長く、食事のタイミングを逃した時にも重宝します。「こもれび」(7:00~21:00)は、大きな窓から木々を眺められる森のカフェ。ブレンドコーヒーや濃厚なソフトクリーム、トーストなどをセルフサービスで気楽に味わえます。レストラン「もみの木」(11:00~LO20:30)は森を一望できるテーブル席が配置され、定食や丼、麺類など幅広いメニューが充実。飛騨牛を目の前で自ら焼く鉄板焼き、朴葉みそ定食といったご当地グルメを気軽に味わえます。また同館には客室やコテージを備えており、宿泊も可能です。
■住所:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯763-1
■TEL : 0578-89-3338
■営業時間:10:00~21:00(最終受付20:30)
■定休日:不定休
■料金:大人700円、小人(3歳~小6)500円
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Drive! NIPPON編集部
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