古くからおもてなしの文化が受け継がれてきた金沢。石川へ旅行するなら、金沢の高級旅館に泊まりたいと考えている人も多いのではないでしょうか。金沢市内には長い歴史を持ち、趣深い旅館が多く存在します。
この記事では、金沢エリアにある人気の高級旅館を7つピックアップしました。また、金沢の人気観光スポットやご当地グルメも紹介しているので、旅行の参考にして下さい。
TABLE OF CONTENTS
目次
1.金沢はおもてなし文化が色濃く残るエリア
金沢に「おもてなし」の風土が根付いているのは、茶の湯文化が関係しています。金沢は加賀藩の城下町として栄えた町で、古くから「茶の湯」が親しまれてきました。金沢に茶の湯を広めるきっかけとなったのは、加賀藩初代藩主の前田利家と言われています。その後も歴代の加賀藩主は「文化奨励策」を推し進め、武士だけでなく職人や町人にも茶の湯文化が広く浸透していきました。茶の湯は、お茶を楽しむだけでなく、茶道具や掛け軸、茶室のしつらえ、お菓子などさまざまな要素で客人をもてなす工夫がされています。茶の湯文化が根付いた金沢では、食や工芸、暮らしにさまざまな影響を与え、今なお金沢の人には「おもてなしの心」が息づいているのです。
2.金沢エリアで人気の高級旅館7選①
金沢には、金沢駅や金沢城、兼六園、ひがし茶屋街などをはじめ、観光地が集中しているエリアです。その中には老舗の旅館や高級旅館も数多くあり、昼と夜と異なる金沢の表情を楽しめるでしょう。また、市街地から少し足を伸ばせば温泉街もあります。金沢市は、観光をたっぷり楽しみたい人、温泉と和風旅館で情緒的な滞在を楽しみたい人、どちらにとっても便利なエリアです。ここでは、金沢エリアで特別なおもてなしを受けられる人気の高級旅館を紹介します。
料亭旅館 浅田屋|350年以上の歴史を持つ老舗旅館
近江町市場の目の前に位置し、金沢を代表する老舗料亭旅館「浅田屋」。1867年に創業して以来、350年以上の歴史を持ちます。おもてなしを追及するため、改装時に客室の数を減らし、現在は1日3組限定です。客室露天風呂や館内エレベーターはありませんが、伝統的な数寄屋造りや坪庭など日本古来の空間で、最上の料理とおもてなしを体験できるでしょう。料亭旅館の名の通り、料理は特にこだわっている浅田屋。春は天然鮎、夏はアワビ、秋は能登松茸、冬は香箱ガニなど、北陸の豊富な食材のおいしさを最大限に引き立てる料理が魅力です。加賀蒔絵の金沢漆器、九谷焼をはじめ、こだわりの器が食事のひとときを優雅に演出します。手間暇かけて丁寧につくられた料理が評価され、「ミシュランガイド富山・石川(金沢)2016特別版」「ミシュランガイド北陸2021特別版」と2回連続で一つ星を獲得しました。
住所 石川県金沢市十間町23 TEL 076-231-2228 URL https://www.asadaya.co.jp/ryokan/
料亭旅館 金城樓|伝統の加賀料理に舌鼓
1890年に創業し、130年以上の歴史を誇る料亭旅館「金城樓(きんじょうろう)」。伝統の加賀料理を格式高い空間で味わうだけでなく、金沢らしいおもてなしを受けられることが魅力です。茶懐石の伝統と北陸の郷土料理を取り込んだ料理、名水でつくられた日本酒など、金沢の食文化を堪能できるだけでなく、旅館には天ぷら専門店も。美しい器や優雅な空間、上質な料理がそろい、金沢を代表する料亭旅館として地位を確立しています。客室は全6室。全ての部屋に天然赤御影石風呂や総桧風呂などの浴室も付いています。金城楼は、ミシュランガイド北陸 2021特別版において、北陸エリアで唯一「5パビリオン(5つ星旅館)」と認定されました。
住所 石川県金沢市橋場町2-23 TEL 076-221-8188 URL https://www.kinjohro.co.jp/
山乃尾|北大路魯山人を唸らせた至高の味
ひがし茶屋街の高台にあり、創業当時から「一客一亭」のおもてなしの精神を受け継ぐ老舗旅館です。初代主人の太田多吉は芸術家・北大路魯山人に「北陸一等の名物男、金沢の国賓、茶会の偉材」と言われ、全国から茶人や美食家が足を運んだと言われています。古くから美食家を唸らせる食材と食文化根付いている金沢。山乃尾では北陸で育まれた豊かな食材を、季節ごとの滋味に富んだ料理を、特別な器や空間と共に満喫できます。客室は全て離れとなっていて、浴室付きの棟も利用可能。金沢の町を眼下に特別な旅のひとときを過ごせるでしょう。
住所 石川県金沢市東山1-31-25 TEL 076-252-5171 URL https://yamanoo.jp/
料理旅館 金沢茶屋|加賀流のおもてなしを引き継ぐ旅館
金沢駅から徒歩3分の場所にあり、駅から最も近い料理旅館。料理、おもてなし、客室、伝統工芸品、アクセスの良さの5つの流儀「味・心・寛・技・遊」でお客を出迎えます。料理は四季の素材をふんだんに使った創作割烹料理。イサザ(白魚)や鰻、松茸、とらふぐなど、金沢が誇る旬の味に舌鼓を打つでしょう。客室は、古き良き金沢の和にこだわった純和風な空間です。浴場は緑に包まれた「庭園風呂」と香り豊かな樹齢2,000年の「古代檜風呂」の2種類があり、旅の疲れをしっかり癒やしてくれます。また、館内には輪島塗や大樋焼(おおひきやき)など伝統工芸品も展示されているため、金沢の歴史や文化、伝統を身近に体験できる旅館です。
住所 石川県金沢市本町2-17-21 TEL 0120-378-223 URL https://www.chayaryokan.co.jp/
金沢エリアで人気の高級旅館7選②
金沢犀川温泉 川端の湯宿 滝亭|心穏やかな時間と名湯を堪能
兼六園や21世紀美術館から車で約12分、「金沢の奥座敷」と呼ばれる犀川温泉にある旅館です。庭には一筋の滝が流れ落ち、現実世界と一線を画す非日常な世界が広がります。流れ落ちる滝やきらめく川、四季の庭園を借景とした客室も大きな魅力。美しい景色を望む天然温泉付きの「別邸辰巳亭」「離れ犀川」、庭を眺め静かな時を過ごす客室「椿花亭」など多彩な部屋が選べます。料理は能登牛やのどぐろ、活きズワイガニなど金沢の誇る食材を味わえるプランや、厳選素材の懐石料理など、多彩なプランが用意されていることも特徴です。町の喧騒を離れ、豊かな自然に囲まれてゆったりと過ごしたい人におすすめです。
住所 石川県金沢市末町23-10 TEL 076-229-5151 URL https://takitei.co.jp/
金沢辰口温泉 まつさき|地場食材の懐石料理と心をほぐす温泉付き客室
「金沢の奥座敷」と呼ばれる辰口温泉にある、江戸時代創業の歴史深い旅館です。創業当時から続く昔ながらのおもてなしを大切に考え、伝統的な日本旅館の接待を受け継いでいます。食事は海の幸の幸、山の幸に恵まれた金沢の食材を活かした、季節感あふれる懐石料理を提供。宿泊棟ごとに厨房を設けているため、できたて、つくりたての料理を部屋で食べられます。2〜15歳の子どもがいる家庭は、年齢ごとに異なる3種のお子様御膳が選べる他、0~1歳の子どもには無料のおじやを提供。ファミリーでも安心して利用できるのはうれしいポイントです。旅館のお客を出迎える松泉湖庭園は、季節によって表情を変える自然や湖が美しく、何度も足を運びたくなるでしょう。
住所 石川県能美市辰口町3-1 TEL 0761-51-3111 URL https://www.matsusaki.jp/
金澤湯涌温泉 百楽荘|湯ごもりを楽しむ大人の隠れ宿
金沢温泉郷を代表する温泉の一つ「湯桶温泉」に佇む大人の隠れ宿。極上のゆとりとくつろぎを大切にした「別邸-神楽-」、「美のときめき」をテーマに家具や小物など細部まで美しさにこだわった「本館-彩心-」の、趣が異なる2館の客室があります。露天風呂や半露天風呂を設けている客室が多く、湯ごもりを満喫したい人にもおすすめです。熟練の料理人が丁寧に仕上げる極上の料理は、どれも絶品。器選びや盛り付けにもこだわり、冷たいものは冷たいまま、温かいものはできたてのものを、個室の食事処で落ち着いて堪能できます。温泉は開湯以来1300年にわたって湧き続けており、歴代の加賀藩主にも愛された「隠し湯」として知られている湯桶温泉。大浴場の他にも5つの貸切風呂があります。混み合わず、誰の目も気にすることなく心ゆくまで温泉を楽しめるでしょう。
住所 石川県金沢市湯涌荒屋町67-1 TEL 076-235-1110 URL https://www.100raku-kanazawa.com/
3.金沢観光におすすめ!人気のスポット
金沢は中心地に人気の観光スポットが集中しているため、散策のしやすさも魅力です。金沢城公園を中心に発展した城下町や日本古来の美しさに触れられる庭園を楽しんだり、ショッピングやグルメを満喫できたりします。ここでは、金沢観光で訪れたい人気のスポットを紹介します。
ひがし茶屋街
金沢市でも特に人気のスポットであるひがし茶屋街は、かつて茶屋街としてにぎわった町並みが保存されている地域です。紅殻格子の町家が建ち並ぶ様子は、他では見られない希少な風景と認められ、国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されています。おみやげ店や格式のある料亭、おしゃれな町家カフェ、伝統工芸品を扱うセレクトショップなど、多種多様なお店が軒を連ねています。着物のレンタルもできるため、思い出づくりにもぴったりなスポットです。
住所 石川県金沢市東山 URL https://www.kanazawa-kankoukyoukai.or.jp/spot/detail_10212.html
兼六園
日本三名園の一つであり、国の特別名勝に指定されている兼六園。広大な庭園には築山や池、茶屋などが点在していて、「ことじ灯籠」や雪吊りされた「唐崎の松」は特に有名です。歴代の加賀藩主が長い年月をかけてつくってきた庭園は、四季折々の日本らしい美しさが見られる風光明媚なスポットとして、国内外から多くの観光客が足を運びます。2021年には、ミシュラン観光ガイドで最高評価の3つ星を獲得しました。
住所 石川県金沢市兼六町1 TEL 076-221-6453 URL https://kenrokuen.or.jp/
金沢21世紀美術館
どこからでも入れるように設けられた4つの入口と、ホットケーキのような丸い形が特徴の現代美術館です。「まるびぃ」「21美」とも呼ばれ、多くの人に親しまれています。上から太陽光が降り注ぎ水が美しくゆらめく「スイミング・プール」は、金沢を代表するフォトスポットとしても人気。建物を囲む芝生広場には、誰でも体験できるアート作品が点在し、小さな子どもから大人まで楽しめるでしょう。金沢城公園、兼六園に隣接しているため、散策しやすいことも魅力です。
住所 石川県金沢市広坂1-2-1 TEL 076-220-2800 URL https://www.kanazawa21.jp/
金沢城公園
加賀の初代藩主前田利家が元々あった城を本格的に改修し、現在の城と城下町の基礎を固めたと言われています。金沢城があった場所は公園として整備され、兼六園と並び金沢を代表する景観が広がるスポットです。国の重要文化財に指定されている石川門、三十間長屋、鶴丸倉庫の歴史的建造物がある他、近年再建された菱櫓、五十間長屋、橋爪門続櫓など、多くの見どころがあります。一部の施設は入場料がかかりますが、基本的には誰でも無料で散策可能です。加賀の歴史に思いを馳せたり、美しい自然や動物を眺めたり、それぞれの楽しみ方ができるでしょう。
住所 石川県金沢市丸の内1-1 TEL 076-234-3800 URL https://www.pref.ishikawa.jp/siro-niwa/kanazawajou/
近江町市場
およそ300年の歴史を持ち、「市民の台所」として金沢の食文化を支えている近江町市場。鮮魚や野菜、果物、飲食店など約170の店舗が軒を連ね、市民だけでなく料亭や飲食店の料理人といった食のプロも買い物に訪れます。また、日本海で採れた新鮮な魚介を使った海鮮丼や寿司を提供する飲食店もあり、金沢の食を目当てに観光客にも人気のスポットです。ランチタイムは混雑するため、朝〜11時ごろに行くと混雑を避けて散策しやすいでしょう。
住所 石川県金沢市上近江町50 URL https://ohmicho-ichiba.com/
4.金沢の食を味わう!おすすめグルメ
金沢には能登牛やのどぐろ、加能ガニなどの高級食材が名産に挙げられますが、昔から親しまれている郷土料理、ご当地グルメも豊富です。ここでは、金沢で味わいたいおすすめグルメを紹介します。
金沢おでん
石川県は、おでんの消費量で日本一を誇ると言われており、金沢おでんも古くから市民に親しまれている料理です。車麩やバイ貝、加賀野菜など金沢にゆかりのある具材を使用し、店ごとに受け継がれたダシを使ったものが「金沢おでん」とされています。昆布や鰹節、煮干しで取ったダシに醤油を加えることが一般的で、ほのかに甘く優しい味わいが特徴です。金沢では、冬だけでなく夏にも冷たいおでんが食べられます。
治部煮(じぶに)
治部煮(じぶに)は、金沢市の伝統料理である「加賀料理」の一つです。鶏肉や鴨肉、すだれ麸、百合根、しいたけなど金沢特産の野菜を一緒に煮込んだ料理で、おもてなしや特別な日の料理として食べられています。また、肉だけでなく季節によってはブリやカジキなど旬の魚が入ることも。金沢市内には、治部煮を味わえる飲食店も多くあります。
ハントンライス
金沢が発祥といわれる洋食「ハントンライス」は、市民が愛するソウルフードの一つに挙げられます。ケチャップライスに半熟のたまご焼きを載せ、白身魚や海老のフライをトッピングしてケチャップとタルタルソースをかけた一品。色鮮やかな見た目が食欲をそそります。料理のヒントとなったハンガリー料理の「ハン」、フランス語でマグロを意味する「トン」が組み合わさり、「ハントンライス」の名前になったとされています。
ハントンライスの元祖として知られているのは「グリルオーツカ」というお店。市内の洋食店やカフェでも提供している店がいくつもあります。
≪まとめ≫金沢の高級旅館で極上のひとときを過ごそう!
古くから茶の湯文化が広まっていた金沢では、今でも「おもてなし」文化が色濃く残っています。市内には歴史ある老舗高級旅館や温泉宿などが多くあり、金沢の食材をふんだんに使った料理を堪能したり客室でゆったりとくつろいで過ごしたり、上質な宿泊体験ができるでしょう。金沢へ旅行する際は、本記事で紹介した旅館を参考にしてみて下さいね。
Posted by
Drive! NIPPON編集部
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