都心から電車で80分程で行ける秩父は、泊まりはもちろん日帰り旅でも満喫できるスポットです。四季折々の美しい自然や神社仏閣、ご当地グルメなどさまざまな楽しみ方ができるでしょう。この記事では、日帰りで秩父を思い切り楽しむためのモデルコースを紹介します。公共交通機関、自動車と移動手段に応じてコースを用意しているので、ぜひ参考にして下さい。
TABLE OF CONTENTS
目次
1.秩父は都心から日帰りで行ける人気の観光地!
埼玉県西武に位置する秩父は、秩父市を中心に複数の町からなるエリアです。秩父市には「西武秩父駅」や「秩父駅」などの駅があり、池袋駅から西武秩父駅までは特急ラビューで78分と、気軽に行くことができます。自動車では関越自動車道を経由し、都内から2時間以内でアクセス可能です。秩父には美しい自然スポットや歴史ある神社仏閣、趣き深い商店街などさまざまな魅力があります。また、一年を通じて秩父夜祭、龍勢祭、川瀬祭りなどのイベントも多く、一年を通じて楽しめるエリアでしょう。
2.電車旅におすすめ!秩父の日帰りモデルコース
移動時間をゆったりと過ごせる電車旅は、秩父の代表的なスポットをめぐりながらショッピングや商店街散策、温泉などが楽しめます。ここでは、電車やバスなどの公共交通機関で秩父の見どころをめぐる日帰りモデルコースを紹介します。
長瀞岩畳
秩父鉄道「長瀞駅」から徒歩5分程の距離にある、秩父を代表するスポットの一つが「長瀞岩畳」です。長瀞は埼玉県の中央を貫通するように流れる荒川の上流にあり、国の名勝および天然記念物に指定されています。特に観光スポットとして知られているのが、隆起した結晶片岩が広がる「岩畳」。荒川の流れによって削り出され幅80m、長さ500mもある河成段丘です。荒川の川底であった時にできたポットホールや流路跡(四十八沼)も見られます。また、岩畳の対岸には地質学的にも珍しいとされる岩壁の「秩父赤壁」や明神の滝もあり、自然が生み出す神秘とパワーを間近に感じられるでしょう。長瀞では川下りやラフティングなどのアクティビティも人気です。
■住所:埼玉県秩父郡長瀞町長瀞
■URL:https://www.nagatoro.gr.jp/spot/spotmeisho/(長瀞町観光協会)
長瀞岩畳通り商店街
秩父鉄道「長瀞駅」から長瀞岩畳までの200mの間には、「長瀞岩畳通り商店街」が広がります。長瀞名物やご当地グルメが味わえるお店の他、秩父や長瀞の名産品を扱うお土産ショップも豊富です。また、長瀞駅から宝登山神社方面に向かう表参道や宝登山参道の両側にも飲食店やおみやげショップが軒を連ねています。明治時代の1890年に創業した「阿左美冷蔵」が提供する、宝登山の伏流水からつくる氷を使ったかき氷、一度は食べておきたい長瀞名物の一つです。
■住所:埼玉県長瀞町長瀞
■電話番号:0494-66-0307(長瀞町観光案内所)
■URL:https://www.nagatoro.gr.jp/area/m_iwadatami/
宝登山神社(寳登山神社)
岩畳から長瀞駅へ戻り、宝登山方面へ15分程歩くと、宝登山(寳登山)神社に到着します。宝登山のふもとに位置し、秩父神社・三峯神社と共に「秩父三社」に数えられる由緒ある神社です。宝登山神社は1,900年以上の歴史を持ち、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が、宝登山山頂に神武天皇、山の神である大山祇神(オオヤマツミノカミ)、火の神である火産霊神(ホムスビノカミ)を祀ったのが始まりと伝えられています。日本武尊が山頂へ向かう途中に山火事に遭遇するものの、神の遣いの山犬が火を消し止めたことから「火止山(ほどさん)」と呼ばれ、現在の名前の由来となっています。宝登山神社は火災・盗難除け・諸難除けのご利益に加え、「宝登山」の名前から商売繁盛や諸願成就のご利益もあると言われています。
■住所:埼玉県秩父郡長瀞町長瀞1828
■電話番号:0494-66-0084
■URL:https://www.hodosan-jinja.or.jp/
宝登山ロープウェイ
宝登山神社から徒歩11分程の場所に、宝登山の山頂に登れる「宝登山ロープウェイ山麓駅」があります。宝登山の山頂からは、秩父盆地や秩父連山、浅間連山が見られ、眼下には長瀞の街並みや荒川を眺められます。時期や天候の条件が整えば雲海が現れ、夕方には秩父連山に沈む美しい夕日も見られるスポットです。また、山頂では季節ごとに異なる花が見られることも大きな魅力です。春は長瀞町に約3,000本の桜を山頂から見下ろせる他、夏にかけてツツジやしゃくなげが咲き誇り、秋は紅葉、冬には臘梅園のロウバイや梅百花園の梅が山頂を彩ります。さらに、ニホンザルやホンシュウジカ、ヤギなどの動物とふれあえる「宝登山小動物公園」も人気です。宝登山神社の奥宮にも参拝できます。祠の手前には山火事から日本武尊を救った山犬が鎮座し、静寂に包まれた神秘的な空気が印象的です。真っ黒なお守りの「吉祥寳守(きっしょうたからもり)」や打ち出の小槌型のおみくじ「金運円満・お宝小鎚守みくじ」もあります。ロープウェイの所要時間は片道5分程、平日は30分ごと、土・休日は15分ごとに運行しています。
■住所:埼玉県秩父郡長瀞町長瀞1766-1
■電話番号:0494-66-0258
■URL:https://hodosan-ropeway.co.jp/
秩父駅周辺
長瀞駅から20分程電車に乗り、秩父鉄道秩父駅へ。秩父駅の周辺には番場通り、買継商通り、黒門通りなどのレトロな町並みがあちこちにあるため、ゆっくりと散策してみるのも良いでしょう。秩父鉄道と西武鉄道の「秩父駅」は徒歩15分程の距離となり、観光がてら散策するのにぴったりです。秩父神社の表参道として栄えた番場通りは、食堂やカフェが立ち並び、中には建物が国の登録有形文化財に指定されてからも営業を続けるお店も。石畳みが敷き詰められ、大正ロマンあふれる建造物が多く現存する通りです。買継商通り、黒門通りは、かつて秩父織物関連の建物が並んでおり、国の登録有形文化財指定の貴重な商業建築が多く現存しています。まるで昭和初期にタイムスリップしたような雰囲気が魅力です。また、秩父駅周辺には秩父三社の一つ「秩父神社」をはじめ、秩父神社の例祭である秩父夜祭の魅力を体感できる「秩父まつり会館」、地場産業の織物や特産品、ご当地グルメがそろう「道の駅ちちぶ」などもあります。旅の目的やテーマに合わせて行きたいスポットを選べるでしょう。
西武秩父駅前温泉 祭の湯
旅の終わりには、温泉で心と身体を癒してはいかがでしょうか。西武秩父駅に隣接する「祭の湯」は、年間300以上ある秩父のお祭りをコンセプトとした複合型温泉施設です。地下約2,000mから汲み上げる天然温泉が自慢の露天風呂は、秩父のシンボルでもある「武甲山」の雄大な山影を眺めながら浸かれます。また、本格的な手揉み、足つぼマッサージを受けられるほぐし処、秩父名物やお風呂上がりのビールなどが楽しめる食事処、秩父のお土産や地酒がそろう「ちちぶみやげ市」「酒匠屋台」もあり、一箇所で秩父を満喫できる充実のスポットです。
■住所:埼玉県秩父市野坂町1-16-15
■電話番号:0494-22-7111
■URL:https://www.seibu-leisure.co.jp/matsuri/
3.自動車で自由にめぐる!秩父の日帰りモデルコース
秩父は公共交通機関で周遊できますが、自動車があるとより広い範囲を自由に観光できるでしょう。秩父駅周辺にはレンタカーのお店も点在するため、電車とレンタカーを組み合わせて観光するのもおすすめです。ここでは、自動車の日帰りモデルコースを紹介します。
長瀞岩畳
秩父を代表する景勝地の「長瀞」は、岩畳を歩いたりライン川下りをしたり、さまざまな楽しみ方ができるスポットです。中でも有名な「長瀞岩畳」は地下深くでつくられた岩石を地表で観察できることから「地球の窓」とも呼ばれています。対岸には岩壁の「秩父赤壁」や明神の滝もあり、自然のエネルギーをたっぷり感じられるパワースポットです。東京から長瀞岩畳までは車で1時間50分程でアクセスできます。長瀞エリアには観光用の無料駐車場がないため、近隣の有料駐車場をご利用下さい。
■住所:埼玉県秩父郡長瀞町長瀞
■URL:https://www.nagatoro.gr.jp/spot/spotmeisho/(長瀞町観光協会)
宝登山神社(寳登山神社)
長瀞岩畳から車で5分程の距離にあるのが、宝登山(寳登山)神社です。1,900年以上の歴史を持ち、秩父神社・三峯神社と並び秩父三社の一つとされています。境内には本殿をはじめ、町指定の文化財となっている神楽殿の他、宝玉稲荷神社、いくつもの神様が祀られている藤谷淵神社、昭和天皇のご成婚を奉祝し植樹した相生の松などがあります。また、宝登山ロープウェイで山頂へ登れば宝登山神社の奥宮も参拝可能です。宝登山山頂からは遠くの山々や秩父の町並みが一望できるだけでなく、四季折々の花が咲いていたり「宝登山小動物公園」で動物とふれあえたりできます。宝登山神社を利用する際は、祈願者・参拝者専用の駐車場に車を停められます。
■住所:埼玉県秩父郡長瀞町長瀞1828
■電話番号:0494-66-0084
■URL:https://www.hodosan-jinja.or.jp/
秩父ミューズパーク
宝登山神社から車で22分程行くと、秩父ミューズパークに到着します。秩父ミューズパークは、秩父市と小鹿野町にまたがる広大な公園です。スポーツの森、音楽の森、文化の森、ミューズの森と4つのエリアに分かれ、敷地内には植物園やアトラクション、プール、サイクルランド、レンタサイクルなどがあり、さまざまな楽しみ方ができます。また、カフェやレストラン、農林産物直売所、入浴施設もあり、ランチや休憩に利用するのも良いでしょう。丘陵地に位置していることから、展望広場からは秩父の市街地や遠くの山々も一望できます。大型遊具や芝生広場、フォレストアドベンチャー、体験型アウトドアパーク「外遊びの森」など、ファミリーに人気の施設も充実。身体を動かすのが好きな人にもおすすめです。駐車場はP1〜P16まで敷地内に点在しているため、あらかじめ利用したいエリアを絞っておくのが良いでしょう。
■住所:埼玉県秩父郡小鹿野町長留2518
■電話番号:0494-25-1315(秩父ミューズパーク管理事務所)
■URL:https://www.muse-park.com/
秩父ジオグラビティパーク
秩父でレジャーや体験型アクティビティをするなら、「日本初の重力系アクティビティパーク」として注目を集めている「秩父ジオグラビティパーク」もおすすめです。宝登山神社から車で40分程の距離にあり、秩父の美しい大自然の真ん中でスリル満点の体験ができます。アクティビティは4種類あり、50m以上の高さにあるワイヤー吊り橋を歩く「キャニオンウォーク」、日本初のワイヤー吊橋バンジー「キャニオンバンジー」、荒川渓谷をスピーディに横断する爽快ジップライン「キャニオンフライ」、アニメのハイジのように大自然の中でブランコを楽しめる「キャニオンスイング」など、スリルと爽快感を満喫できるものばかり。体験は予約制で、年齢、慎重、体重、体調、持病などについて条件が設けられているため、事前に確認しましょう。
■住所:埼玉県秩父市荒川贄川730-4
■電話番号:050-5305-6176
■URL:https://gravitypark.jp/
三峯神社
秩父ミューズパークから車で1時間程、秩父ジオグラビティパークから40分程、奥秩父の山中へ進み三峯神社へ向かいます。標高約1,100mの秘境に鎮座する三峯神社は、秩父三社の一つで関東屈指のパワースポットと名高い神社です。年以上前に日本武尊によって創建されたとされたと言われています。境内には極彩色と彫刻が施された本殿や拝殿の下にある赤い「龍の目」、樹齢800年を超える巨大なご神木など、見どころもたくさん。さらに、日本では珍しい「三ツ鳥居」の両脇には狛犬ではなくオオカミ像が据えられ、犬神信仰の神社としても知られます。参拝後には境内のご神木が入ったお守り「氣守」を購入すると良いでしょう。
■住所:埼玉県秩父市三峰298-1
■電話番号:0494-55-0241
■URL:https://www.mitsuminejinja.or.jp/
道の駅 大滝温泉
旅の終りは、三峯神社から車で30分程の距離にある「道の駅大滝温泉」の温泉やレストランで疲れを癒やしてはいかがでしょうか。道の駅大滝温泉には日帰り温泉「遊湯館」があり、深さ1,000mから湧き出す大滝温泉に浸かることができます。地下1階の露天風岩風呂からは眼下に流れる川を眺められ、サウナも完備。お風呂上がりには、「お食事処郷路館」で「豚みそ丼」や「ホルモン焼き定食」などのご当地グルメを味わうのもおすすめです。道の駅には大滝民俗資料館やファミリーマートも併設されています。
道の駅から西武秩父駅までは、車で30分程です。
■住所:埼玉県秩父市大滝4277-2
■電話番号:0494-55-0126
■URL:https://www.michinoeki-network.jp/otaki/
4.秩父で食べたいご当地グルメ・郷土料理5選
秩父観光をするなら、その土地で親しまれているご当地グルメや郷土料理も味わいたいものです。秩父にはさまざまなご当地グルメや郷土料理がありますが、ここでは特におすすめのものを紹介します。
わらじかつ丼
わらじかつ丼は、履き物の「わらじ」のように大きなかつがご飯の上に載った料理です。一般的なとんかつよりも厚みがあり、柔らかい豚を使っていることが特徴。かつには甘辛いタレがかかり、ご飯との相性も抜群です。わらじかつ丼専門店の「安田屋 小鹿野店」が元祖とされていますが、現在は秩父のさまざまなお店で食べることができます。
くるみ蕎麦
くるみ蕎麦は、地元産のくるみを割ってすり潰したものをそばつゆと合わせ、コシのあるそばを付けて食べる秩父の名物です。お店によってくるみの粗さを変えたりすりごまと合わせたりするなど工夫されています。秩父鉄道秩父駅からほど近く、くるみ蕎麦の元祖と言われる「やなぎや」をはじめ、「わへいそば」や「入船」「そばの杜」など、多くの蕎麦屋で提供しています。
おっきりこみ
おっきりこみは、太く幅広の手打ちうどんを根菜類と一緒に煮込んでいる料理で、秩父地方の郷土料理です。山できのこが採れる秋から冬にかけて、家族で鍋を囲んでふうふう食べる料理として親しまれてきました。秩父では「長瀞屋」や「そば処はやし」「ガーデンハウス有隣」などで味わえます。
豚みそ丼
秩父では古くから狩猟で捉えた猪の肉を保存するために、味噌漬けにする方法が重宝されてきました。秩父は味噌の生産地ならではの方法ですが、これを豚に応用した「豚みそ丼」が生まれ、広く食べられるようになったと言います。秩父では「豚丼」とも呼ばれることもあり、豚みそ丼を看板メニューにしている飲食店は多くあります。特に、豚みそ丼発祥のお店「豚みそ丼本舗 野さか」や、全国丼グランプリ金賞を受賞した「たぬ金亭」の豚玉丼、豚みそ丼とわらじかつ丼が一度に食べられる「和食と豚みそ丼 ちんばた」などのお店が人気です。
みそポテト
みそポテトは、秩父を代表する郷土料理・B級グルメであり、地元の人にとってはソウルフードと言えるほど親しまれています。みそポテトは、ふかしたじゃがいもを天ぷらにし、甘めの味噌ダレをかけた料理です。古くからおやつとして食べられていて、お店によって味付けやタレが工夫されています。秩父では秩父鉄道秩父駅近くの「お休み処 もへじ」や「はなゆう」「食彩秩父 じんじんばあ」などのお店で食べられます。
≪まとめ≫都心から日帰りで楽しめる秩父を満喫しよう!
秩父は都心から電車で最短78分で気軽に行ける観光地です。長瀞や神社仏閣などの観光スポットが多く、宝登山山頂や秩父ミューズパークなど眺望の良い場所も多くあり自然を満喫したい人にもぴったりでしょう。日帰り旅の最後には気軽に温泉に入れる施設もあるため、モデルコースを参考に友達や家族と秩父を満喫してみてはいかがでしょうか。
Posted by
Drive! NIPPON編集部
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